助成研究成果報告書Vol.34
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図3 試験片表面の状態 図4 圧子先端の状態変化 図2 微小押し込み試験による温度依存性評価 また,図3のように600℃以上の高温で長時間保持するとArガス置換雰囲気であっても,試験片の表面酸化が進み表面粗さが増加する。さらに,室温での評価と比較して 4.結言 (対象温度にて3時間保持) 謝 辞 本研究では,試験片としてNi基超合金のγ相単相単結晶試料を用意し,室温から800℃までの微小押し込み試験を行った。ここでは,最大荷重を3,000 µN,負荷・除荷速度を300 µN/秒,最大荷重での保持時間を10秒とした。 室温から800℃までの押し込み荷重-変位関係を図2(a)に示す。ここでは,負荷・除荷速度を速く,最大荷重での保持時間を短く設定しているが800℃ではクリープ変形が顕著となる。また,他の温度では不連続な塑性変形挙動であるポップインが多数確認されるが,この温度では見られない。図2(b)に負荷・除荷曲線から計算される弾性剛性および硬度を示す。これらは評価温度の上昇とともに連続的に減少することが確認できる。 高温での評価は圧子の損傷が激しく,数千回程度の押し込み試験で圧子の先端が劣化することが確認された(図4)。 本研究では,室温から800℃までの温度域において微小押し込み試験が可能な装置を用いて,耐熱合金の単相単結晶サンプルに対して試験を行った。本研究で確立した試験方法によって,高温域でも微小押し込み試験は可能であるが,室温と比較して,試験条件や試験片や圧子の状態に注意を払う必要がある。今回使用した試験片ではダイヤモンド圧子を使用できたが,反応性の高い試験片ではサファイヤ圧子など,より化学的に安定な材料の圧子を使用する必要がある。 また,高温域におけるひずみ速度依存性を考慮して引張/圧縮試験相当の応力-ひずみ関係を評価する手法について,開発を進めており,近日中に報告できる見込みである。 本研究は,SIP革新的構造材料においてポスドク研究員のDr. Jovana Ruzicと取り組んだ内容を引き継いで,実施した。実験実施にあたり,物質・材料研究機構 長田俊郎 氏にNi基超合金単結晶試料を提供いただいた。また,装置の利活用において物質・材料研究機構 大村孝仁 氏,村上秀之 氏の支援を受けた。 3.実験結果 − 180 −(a) 荷重-深さ関係の温度依存性 (b) 弾性剛性・硬さの温度依存性 (a) 初期状態 (b) 3000回以上使用

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