図12 減肉率γに及ぼす拡管率κおよび半角αの影響 図13 オーバーシュートδに及ぼす拡管率κおよび半角αの影響 図11 加工荷重Pに及ぼす拡管率κおよび半角αの影響 Pが上昇する傾向を示した.これは,αが大きくなるほど,拡管時における曲げ・曲げ戻し変形が大きくなるためである.特に,α=48°,κ=0.23の条件では,軸方向荷重が過大となったため,管が軸方向に伸ばされ,図10 (c)に示すような軸方向割れが生じたと考えられる. 図12に,拡管率κとプラグ半角αが減肉率γに及ぼす影響を示す.なお,加工後の軸方向ひずみεzが0と仮定して求めた理論値もあわせて示している.κが大きくなるにともなって減肉率γも大きくなり,α=36°のプラグを用いた際に最大減肉率γmax = 0.33に達した.これは,従来の縮管抽伸における1パスあたりの減肉率である20%5)よりも高く,薄肉管を製造するにあたって,拡管抽伸が従来手法より優れている可能性が示された.また,αの影響に着目すると,αが多いほどγは高くなる傾向を示した.この現象は,図11に示すように,αの増加にともなって上昇した加工荷重Pによるものと考えられる.加工荷重の上昇によって,管壁が軸方向に引き伸ばされ,薄肉化が促進されたと考えられる. 図13に,拡管率κとプラグ半角αがオーバーシュートδに及ぼす影響を示す.κが大きくなるとδは小さくなる傾向を示した.これは,κの増加にともなって増加した軸方向の引張力が,管の半径方向への広がりを抑えたためだと考えられる.また同じκであっても,αが大きいほどδが大きくなる傾向にあった. 表5 プラグ半角αが成形可否に及ぼす影響 γ oitar noitcuder ssenkcihT 000mmδ toohs revO / hc ec ec s Nk / PdaoLプラグ半角αの増加にともない,減肉率γやオーバーシュートδが増加した原因に関して,さらなる検討を加えるため,図3 (a)に示すモデルを用いて,FEM解析を行った.図14に,拡管率κ=0.23の場合において,αが軸方向ひずみεzの分布に及ぼす影響を示す.αが大きくなると,プラグ角部における曲げ変形によって生じるεzが増加する.この曲げ変形量の増加により,抽伸荷重Pも図11に示すように増加する.Pの増加によって,平行部における軸方向ひずみが増大し,その結果として,減肉率γが大きくなったと考えられる.一方で,αが大きくなると,プラグ角部における曲げ変形量が大きくなるため,図14(c) に示すようにδが大きくなる.曲げ変形量の増加によって生じるδを減少させ,管内径の寸法精度を高めるためには,プラグ角部にコーナー半径を設けることが有効と考えられる. 3・5 プラグ半角αが成形品の強度に及ぼす影響 拡管率κ=0.23の条件にて加工した成形品の引張試験を行い,プラグ半角αが成形品の応力-ひずみに及ぼす影響を調査した.図15に,αを変化させた場合における成形品の公称応力σn-公称ひずみεn線図を示す.拡管抽伸によって,管の引張強度が向上した.これは加工硬化によるも3・4 プラグ半角αが減肉率γおよびオーバーシュートδに及ぼす影響 α=36°α=24°α=12°0.20.4Expansion ratio κα=24°α=12°28303234Expansion ratio κ/ mmHalf angle α / ° 12 24 36 48 0.13 s s s e s:Success, e: Eccentric, ac: Axial crack, hc: Hoop crack, ec: Edge crack 1009080706050403020100α=48°0.20.4Expansion ratio κExpansion Ratio κ 0.30 hc s s 0.38 0.23 s s s ac α=36°α=24°α=12°0.40.46 0.30.20.10.80.70.60.50.40.30.20.100.6Theoretical value(εz=0)0.6α=36°363840− 177 −
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