助成研究成果報告書Vol.34
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00 ここで,depはプラグ外径,di0は管の初期内径,t0およびtは加工前後の管肉厚である. tmax, tminおよびtaveは,それぞれ円周方向における肉厚の最大値,最小値および平均値である. 表1に供試材料を示す.鋼管(STKM13C)およびアルミニウム合金管(AA1070)を使用した.引張試験にて求めた応力-ひずみ線図をSwiftの式にて近似し,解析における材料特性として用いた.表2に加工条件を示す.拡管抽伸においては,成形品の肉厚tを調整するため,プラグ径depを変化させた.縮管抽伸においては,ダイス径ddを一定 表1 供試材料 STKM13C t0[mm]24表2 加工条件 初期外径 d0 / mm 初期肉厚 t0 / mm 実験 管 γ oitar noitcuder ssenkcihT(目標肉厚 g / mm) 潤滑 (実験) t0 = 4.0 として,プラグ径dpを変化させることによって,成形品の肉厚tを調整した. 2・2 拡管型抽伸加工における減肉特性 図4に,拡管抽伸において,拡管率κが減肉率γに及ぼす影響を示す.なお,加工後の軸方向ひずみεzが0と仮定して求めた理論値もあわせて示している.FEM解析によって求めたγは,κの増加にともなって上昇し,理論値ともおおよそ一致した.したがって,拡管抽伸において,管は軸方向にあまり変形せず,主に周方向に伸ばされる. 図5に,拡管と縮管抽伸における減肉率γと加工荷重Pの関係を示す.拡管抽伸の方が,低荷重にて高いγが得られており,効率的な薄肉化を実現している.また,縮管抽伸の場合,所定のPに達すると,γが急激に増加する現象が見られた.実際は,この領域において,管にくびれが発生し,破断すると考えられる.拡管抽伸の場合に,このような現象は確認されなかった.したがって,拡管抽伸の方が高い減肉率まで加工できる可能性がある. 図6に減肉率γがおおよそ0.1の場合(図5(i)および(ii))における軸方向および半径方向の偏差応力σz’, σr’およびひずみεz,εr分布を示す.縮管抽伸の場合,テーパ部において周方向に縮むため,半径方向の偏差応力σr’が大きくなり厚肉化する.厚肉化した管壁をダイおよびプラグにてしごく必要があるため,管は軸方向に伸ばされ,加工荷重Pは大きくなる.拡管抽伸の場合は,まず,図6 [A] の部分において,周方向に伸ばされるため,半径方向の偏差応力σr’が小さくなり,管壁は薄肉化する.図6 [B] に達すると,管壁が軸方向に強く引っ張られるため,負の偏差応力σr’が作用し,さらに薄肉化する.上記のFEM解析の結果,管肉厚を減少させるにあたって,拡管抽伸は縮管抽伸よりも効率が良いことが示された. 図4 減肉率γに及ぼす拡管率κの影響(FEM,2次元軸対称モデル) 対称モデルを作成し,静的陰解法を採用した.また,拡管抽伸において,管の初期偏肉の影響を検討するため,図3 (c)に示す3次元モデルを作成し,動的陽解法を採用した. 実験では,図1 (a)のように口広げ加工を施した管の口広げ部を,図 1 (b)のようにチャックでつかみ,油圧シリンダーにて,プラグを管から引き抜くことによって加工した.成形品を評価するため,拡管率κ,肉厚変化率η,減肉率γおよび偏肉率λは以下の式にて求めた. 材料 ヤング率 E / GPa ポアソン比 ν 降伏応力 σy / MPa 初期長さ l0 / mm プラグ(拡管型抽伸用) ダイス(縮管型抽伸内径 dd /mm 用) ベアリング長さ lb / mm 外径 dp / プラグ(縮管型抽伸用) 摩擦係数 μ (FEM) σeq = F(εeq + ε0)n κ=(dep-di0)/di0 η=-γ=(t-t0)/t0 λ=(tmax-tmin)/tave Swift近似 mm 半角 αep / ° 外径 dep / mm (拡管率 κ) 半角αd / ° σeq = 725(εeq + 0.0032)0.023 σeq = 121(εeq + 0.0013)0.048 t0 = 2.0 AA1070 200 0.3 637 2D FEM 3D FEM 24–38 (0.07–0.46) 24–25 (1.5–2.0) mm mm 20–22 (3.0–4.0) プレス工作油 G-3344 0.1 (STKM13C) 0.25 (AA1070) (1) (2) (3) 66 0.34 88 30 2, 4 200 160 170 12 0.30.212 28 9 0.1FEM(2D-Impl)0.20.4Expansion ratio κTheoretical value (εz=0)0.6− 174 −

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