助成研究成果報告書Vol.34
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謝 辞 参考文献 とが確認され、図4のシミュレーション結果と一致した。これまでに最短周期4.7µmを達成した。 図7 (a)通常の6ビーム干渉パターン、(b)メガ光渦の観察結果(532nm、0.72°、48.8µm)。(c)メガ光渦の観察結果(196µm)。各図の矢印に沿った光強度分布をそれぞれの上に示す。右下は光強度のスケール、下は干渉部の模式図。 2・3 超配列光渦を用いた物質加工 単独光渦の光源にハイパワーパルスレーザーを用いて加工を行う事でカイラル構造の作製が可能である[7,8]。よって、超配列光渦を用いて同様の加工を行う事で、配列したカイラル構造を一括形成出来る可能性がある。ここでは初期的な結果を示す。光源はNd:YAGレーザーの第二高調波であり(532nm,Δ~5ns)、加工部位におけるショットエネルギーは10.6mJである。図8は石英基板に堆ーン周期9.5µmに従った周期構造が形成されており、旋状に見える構造も見られ、軌道角運動量1の単独光積した厚さ約3µmの金薄膜を加工した結果である。パタこれは図4(c)(d)で示した超配列光渦と同様である。各単位加工部の中心部近くに、単独光渦を用いた加工でも見られた突起構造が存在する。図8(b)のように、一部には螺渦を用いた加工と同様の構造が得られた[3,4,7]。一方、周期の乱れ及び突起構造の中心位置からのずれが見られた。前者はビームプロファイルや位相分布の不均一さ、後者は溶融した金属の重力や表面張力による移動などが考えられる。これらを解消するために、ビーム形状と波面がフラットな光源、フルエンス及びターゲット構造の最適化が必要であると思われる。 図8 (a)超配列光渦を用いた金薄膜の加工例、(b)拡大図と螺旋のイメージ。 3.まとめと今後 本研究では、光渦を三角格子状に自動配列した「超配列光渦」を形成する事に成功した。光渦の間隔は可変であり、個以上が配列した超配列光渦の形成に成功した。本研究成果については実験を追加した上で論文発表を行う予定である。 本手法の課題として、各光渦の強度が元のビームプロファイルに従って分布することがある。例えば、ビーム中心の光渦強度が強くなり、周辺部に行くほど弱くなる。これを改善するために、空間光変調器(Spatial-Light-Modulator: SLM)と4光学系における空間周波数フィルタリングを用いた超精密ビーム整形技術が有効である[17–19]。この手法では、正方形や六角形などタイリングが容易な形状へのビーム整形技術が開発済である。 本手法の発展性について述べる。背景で述べたように、単独の光渦を用いた超解像STED顕微鏡や加工、情報通信帯域の増大、また光トラップや加工などに関する研究が進められている。本技術では、これらの応用で超並列操作やミクロな現象をマクロに発現させる効果が期待出来る。原理的には紫外からテラヘルツまで同様の光学系を用いた装置構成が可能であり、本技術の波及範囲は非常に広い。今後フォトニクスの幅広い分野における応用が期待される。 本研究を遂行するにあたり、公益財団法人天田財団の2018年度一般研究開発助成AF-2018212-B2によって行われたものであり関係各位に厚く感謝の意を表する。 [1] K.I. Willig, S.O. Rizzoli, V. Westphal, R. Jahn, S.W. Hell, STED microscopy reveals that synaptotagmin remains clustered after synaptic vesicle exocytosis., Nature. 440 (2006) 935–939. https://doi.org/10.1038/nature04592. [2] J. Wang, J.-Y. Yang, I.M. Fazal, N. Ahmed, Y. Yan, H. Huang, Y. Ren, Y. Yue, S. Dolinar, M. − 170 −9.5µmから196 µmまで確認を行った。現状で最大4,600

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