■ワイヤを圧潰せず用いた場合,厚さ約40~1000 µmのIMC層が確認された.また,IMC層の厚さは板幅方向に対して不均一であった.一方,ワイヤを圧潰して用いた場合の溶接速度20および30mm/sにおいて,IMC層の厚さは10 µm未満であった.また,ワイヤを圧潰せず用いた場合よりも板幅方向に対して均一に生成していた.さらに,ワイヤの圧潰の有無に関わらず,10または15 mm/sの低い溶接速度において,IMC層内に亀裂が観察された. ■■・■■継手の引張せん断強さ■■接合部の強度を評価するために引張せん断試験を実施した.試験片の形状は幅10mmの矩形とした.図8に溶接長1mmあたりの引張せん断強さを示す.(a)はワイヤを圧潰せず用いた場合,(b)は圧潰して用いた場合を示している.●印,□印,および◇印は,引張せん断試験後の試験片の破壊位置を示している. ■ワイヤを圧潰せず用いた場合,継手強度は全体的に低く,引張せん断強さは30N/mm程度であった.一方,ワイヤを圧潰して用いた場合の引張せん断強さの平均値は全体的に高く,継手強度は最大で209N/mmであり,A5052P母材中で破断していた. ■そのため,ワイヤをインサート材として使用した鋼とアルミニウム合金とのレーザロール溶接では,ワイヤを圧潰して用いることで,溶接可能範囲が高速化され,継手強度が全体的に向上した. 謝■辞■参考文献 アルミニウム合金とのレーザロール溶接を行った結果,以下の結論を得た. 1) ワイヤを圧潰して用いることにより,溶接可能範囲がより高速側に拡大する. ■本研究は,公益財団法人天田財団 ■■■年度■レーザプロセッシング■一般研究開発助成■■■■ ■■■ ■■■■ の助成を受けたものです.ここに深く感謝いたします. 4.結言 ■フラックスコアードワイヤをインサート材として鋼と 2) 金属間化合物層は,ワイヤを圧潰せず用いた場合は厚く不均一に生成するが,ワイヤを圧潰して用いた場合は薄く均一に生成する. 3) ワイヤを圧潰して用いた場合,圧潰せず用いた場合と比較して,全体的に高い引張せん断強さが得られる. 1) M. J. Rathod and M. Kutsuna: Joining of Aluminum Alloy 5052 and Low-Carbon Steel by Laser Roll Welding, Welding Journal, 83-1(2004), 16s-26s. 2) 大石拓哉,鈴木実平,川上博士,尾崎仁志:低炭素鋼とアルミニウム合金のレーザロール溶接継手強度に及ぼすフラックスの影響,日本機械学会東海支部第63期総会講演会講演論文集,143-1(2014),232-233. 3) J. Long, W. Huang, J. Xiang, Q. Guan, Z. Ma: Parameter optimization of laser welding of steel to Al with pre-placed metal powders using the Taguchi-response surface method, − 166 −
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