助成研究成果報告書Vol.34
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− 14 −塑性加工塑性加工キーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]徳島大学 大学院 社会産業理工学研究部 理工学域 機械科学系 教授[応用分野]大阪大学 産業科学研究所 准教授AF-2018003-B2一般研究開発助成AF-2018004-B2一般研究開発助成塑性加工三重結晶,クリープ変形,粒界亀裂tatsuya-okada@tokushima-u.ac.jp医療デバイス,生体インプラント材料弾性率,チタン合金,オメガ変態mtane@sanken.osaka-u.ac.jp岡田 達也多根 正和金属三重結晶を用いた高温粒界すべりによる亀裂形成とその抑制に関する研究生体用チタン合金において塑性変形誘起オメガ変態が引き起こす 弾性率増加抑止法の確立<110>傾角Σ3,3,9粒界を有する純Cu,純AlおよびAl-0.1wt.%Cu合金三重結晶を育成し,切り出した試験片に対してクリープ試験を行った。純CuではΣ9粒界が粒界すべりを起こし,Σ9粒界に沿って試験片内部で高密度の空洞が形成した。これらの空洞が連結し,Σ9粒界に沿った亀裂へと発達した。Σ9粒界の亀裂は,粒界三重線を通ってΣ3粒界の一つに伝播したが,最終的な試験片の破断形態は,Σ3粒界の平坦度により異なっていた。純AlおよびAl-0.1wt.%Cu合金では,Σ9粒界の粒界すべりによる応力集中はΣ3粒界に沿った粒界すべりにより緩和され,最終的な破断は粒界ではなく粒内で起こった。以上の観察結果に基づき,より延性的なクリープ破壊をもたらすための指針を得ることができた。本研究では、生体用インプラント材料として必要な低弾性率化を実現するためにbcc構造を準安定化したチタン(Ti)合金を対象とし、室温での時効に伴うオメガ(ω)変態および弾性率増加が、無拡散等温ω変態という新たなω変態に起因していることを明らかにした。さらに、無拡散等温ω変態は凍結された合金組成ゆらぎによって引き起こされており、このようなω変態挙動は、無拡散のω変態である塑性変形誘起ω変態においても共通していると考えられる。生体用インプラント材料として必要な低弾性率化を実現したTi合金においては、塑性変形によって引き起こされる変形誘起ω変態による弾性率増加の抑制が必要であるが、変形誘起ω変態による弾性率増加の抑制は、室温時効に伴う無拡散等温ω変態およびそれに伴う弾性率増加と同様にbcc安定化元素濃度を増加させること、すなわちbcc構造の安定化によって実現可能であると考えられる。

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