助成研究成果報告書Vol.34
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𝜌𝜌$(𝛼𝛼)=&!" 図4 中間負荷時(α=5π/6)の加工硬化曲線 &!"'&!!, 𝜌𝜌%(𝛼𝛼)=&"!&"!'&!! . 𝜌𝜌(π)<𝜌𝜌6()*7<𝜌𝜌6)%7 . べり系が切り替わらないすべり方向の逆転により発生し,交差硬化は活動すべり系の交代により発生すると考えられるので,再負荷方向角𝛼𝛼による活動すべり系の交代率の変化とsin𝛼𝛼との相関を示すことができれば,提案モデルの表現する交代率1:𝜌𝜌$(𝛼𝛼)と交代率2:𝜌𝜌%(𝛼𝛼)を定義した. 物理的妥当性を高められると考えた. 1次負荷と2次負荷の活動すべり系の切り替わり割合をここで指標の0は活動,1は非活動を表しており,Nはすべり系(またはすべり面)の個数を表している.例えば,N10は1次負荷において活動すべり系(面)であり,2次負荷において非活動すべり系(面)であるすべり系(面)の個数を意味している.つまり交代率1は,1次負荷で活動していたすべり系(面)のうち2次負荷において非活動になったすべり系(面)の割合を表している. すべり系の活動/非活動を判定可能な逐次累積法を用いた有限要素多結晶モデルを利用して,予ひずみ0.1を与えた後,反転負荷(α = π),45度方向せん断(α = 5π/6),直交負荷(α = π/2)の3パターンでの負荷経路で計算した.例として反転負荷の際の交代率の変化を図1に示す.それぞれ,すべり系ごとの交代率とすべり面ごとの交代率を計算している.縦軸の値は予ひずみ後の変形過程にて切り替わったすべり系(面)の割合を示しており,値が小さければ切り替わりが少ない,すなわち1次負荷時に活動状態だったすべり系(面)の多くがそのまま活動状態にあったことを示す.これらの計算結果より,式(3)の交代率いずれとも,以下のような大小関係となった. この大小関係より,前述のようにすべり系の交代が負荷経路の変化に応じた推移を示しており,事前に予測した通りとなった.ゆえに少なくとも活動すべり系の切り替わりの観点からは,提案モデル式の物理的妥当性が示された. 一般再負荷過程を表現できるモデルを確立することができれば,直交再負荷と逆方向再負荷のデータのみを利用して,その間の任意の加工硬化曲線を予測することが可能となる.この仮定の妥当性を検証するため,提案モデルの数値的検討を行った.本研究ではDC06の材料データを用い,Teodosiu-Hu(TH)モデル3)との比較を行った.比較対象として,有限要素多結晶モデル(FEPM)で表現されるバックラッシモデルと交差硬化モデル(最大林立転位モデル)を導入し,その予測値を提案モデル式に代入した.図2〜4に,各負荷経路における2次負荷時の加工硬化曲線を示す.いずれの場合も定性的な傾向は参照データ(TH)をよく表しており,定量的にも近い結果が出ている.さらなる検討は必要であるが,提案モデルの有効性は示すことができたと考えられる. (3) 図1 交代率によるすべり系活動/非活動の割合変化 (4) 図2 反転負荷時の加工硬化曲線 図3 直交負荷時の加工硬化曲線 − 133 −

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