図3に流量比r = 5.0における全圧1.5 TorrのXPSスペクトルを示す。Ti 2pスペクトルの455.1 eV(TiC)、456.3 eV(TiN)、458.4 eV(TiO2)にピークが見られた。C 1s、N 1sスペクトルからもこれらの結合が確認される。Ti 2pスペクトルのピーク面積から1.5、2.0 Torrで作製した膜のTi:C:N比を求めるとそれぞれ TiC0.26N0.26、TiC0.12N0.23であり、1.5 Torrの方がTiC、TiNの割合が大きいとわかった。しかし、XRDでは、Ti系化合物由来の回折線は観測されなかったためTiCやTiN、TiO2は微結晶あるいは非晶質であると考えられる。 3.3 TiCN膜とWC-Co基板との硬度 図4に全圧1.5 Torr、流量比r = 2.5でWC-Co基板上に成膜した試料のダイナミック硬さを示す。WC-Co基板と比べ、作製した膜の硬度は低い値を示した。これは膜中にTiCやTiNなどの結晶性成分が少ないことやアモルファスカーボンが多く存在していることが原因であると考えられる。 3.4 TiCN膜とWC-Co基板との硬度 図5にSi源とTi源の供給比(Si/Ti比)= 1, 2の場合におけるN源供給比と成膜速度の関係を示す。(Si/Ti比)= 1のとき、N/Ti比の増加による成膜速度の大きな変化は見られなかった。また、(Si/Ti比)= 2のとき、(N/Ti比) = 5までは成膜速度の大きな変化は見られなかったが、(N/Ti比) = 10のとき成膜速度が増加した。 図6に(Si/Ti比)= 2での各N源供給比で作製した試料におけるXRD結果を示す。(N/Ti合物の結晶由来の回折線は見られず、微結晶もしくは非晶質だと考えられる。(N/Ti比) = 10のとき、SiC(102)のピークが見られるため、結晶質のSiCを含む薄膜が析出したと考えられる。 図7に(Si/Ti比) = 2, (N/Ti比) = 10でWC-Co基板上に作製した膜とWC-Co基板のダイナミック硬さを示す。試験力は25 gfである。このとき、膜厚は2.3 μmである。WC-Co基板と比べて作製した膜の硬度は低い値を示した。これは、膜中にTiCやTiNなどの結晶性成分が少ないことやアモルファスカーボンが多く存在していることが原因であると考えられる。 図図33 全全圧圧1.5 Torr、、流流量量比比r = 5.0でで作作製製ししたた膜膜ののTi 2p、、C 1s、、N 1sののXPSススペペククトトルル 図図22 流流量量比比r = 5.0ににおおけけるるXRD結結果果((全全圧圧: 1.5Torr)) 図図44 流流量量比比r = 2.5ににおおけけるる硬硬度度 図図55 N源源供供給給比比とと成成膜膜速速度度 (Si/Ti比比 = 1, 2) − 115 −
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