_ 以上のことから,Y添加により{101 _2}双晶のみであったが,Mg-Yでは{101 図18に純Mgおよび0.25Yの曲げ応力-曲げ歪曲線と中立面位置から計算したσtの関係を示す.図中の点線は,純Mg7)およびMg-0.6at.%Y8)の一次錐面すべりの活動応力を示している.ここで,0.25Yのσtは純Mgに比べて大きく,ε=11%~15%で増加し, 一次錐面すべりの活動応力に近くなることがわかる. またε=14%以上で一次錐面すべりが観察されている. くなるため中立面の移動が減少し,それに伴って引張側の引張応力が大きくなる.その結果, 一次錐面すべりが活動できるようになるため,曲げ延性が向上したといえる. 図18 (a)純Mgおよび(b)0.25Yにおける応力-歪曲線と 曲げ引張応力σtの関係 3・3 Mg-Y多結晶圧延材の3点曲げ試験 今回は4種類の試験片を用いて試験を行った結果,中立面と圧延面が垂直であるTNとRN,中立面と圧延面が平行であるTRとRNがそれぞれ同様の挙動を示した.そこでここでは,TNとTRにおける結果を示す. 図19にTNにおける曲げ応力-歪曲線を示す. Y添加に伴いσyは増加し,加工硬化後の延性が0.5Yまで増加した.しかし0.9Yでは減少した.図20にTRの結果を示すが,こちらも同様にσyは上昇し,延性は0.9Yまで増加した.図21にY添加量とσyの関係を示す.いずれの試験片も,Y添加量にほぼ比例してσyが増加している.ここで,純Mgおよび0.9Yのσyには試験片方位による差はあまり見られないが,0.2Yおよび0.5Yでは,TNおよびRNに比べてTRおよびRTが10MPaほど高くなっている. 図19 TN試験片の3点曲げ応力-歪曲線 2}双晶が起こりにく図21 圧延材における曲げ降伏応力とY添加量の関係 図22にY添加量とεBの関係を示す.純Mgに比べ,Mg-Y合金はいずれもεBが高くなっていることから,Y添加は曲げ延性の改善に効果的であるといえる.しかし,TRおよびRTでは,εBはY添加量に依存せずほぼ一定となっているのに対し,TNおよびRNではY添加に伴って増加し,0.5Yでは約1.5倍の大きな値を示した.しかし,0.9Yでは減少し,TRおよびRTと同様な値となった. 図22 圧延材における曲げ延性とY添加量の関係 以上のようにY添加により曲げ強度および曲げ延性が増加した理由を調べるために変形機構の調査を行った.TNにおける降伏時の変形の様子を図23に示す.純Mgでは{10_1すべりも観察された.これはY添加により底面集合組織の程度が弱くなり,引張方向に対する底面の傾きが大きくな図20 TR試験片の3点曲げ応力-歪曲線 2}双晶に加え底面− 110 −
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