3点曲げ試験は単結晶,圧延材共に中央圧子半径2.0mm,左右支持部の半径2.5mmの治具を用い,スパン長さLは16mmとした.試験は室温大気中,中央圧子の押し込み速度1.67×10-2mm/sで行った.3点曲げ試験における曲げ応力σは式(1)で,曲げ歪εは式(2)で算出した. σ=3PL/(2bh2) (1) ε=(6dh)/L2 (2) 曲げ試験後の0.15Y-B試験片の形状を図7に示す.B試験片は「ひの字(Gull-shape)」状に変形し,図7(b)に示すように,左右支持部間で底面すべりが観察された.この挙動は純Mg1,2)と同じであり0.07Yも同様であった.よってMg-Y合金でも底面すべりで曲げ変形が生じることがわかった. σyの増加の原因を考えるため,前回の報告1,2)で提案した式(3)から底面上のせん断降伏応力τyを計算した. τy=P/(2bh) (3) 得られた値を図8に示す.また図には,報告されている純Mg3)およびMg-1.0at.%Y4)における底面すべりの臨界分解 3.実験結果および考察 3・1 Mg-Y単結晶B試験片の3点曲げ試験 B試験片の代表的な曲げ応力-曲げ歪曲線を図5に,Y添加量とσyの関係を図6に示す.σyは0.07Yまではあまり変わらないが0.15Yでは増加した.B試験片は全て降伏後,直線的な加工硬化を示し,Y添加によって加工硬化率が増加することがわかった.その後,試験片と治具が接触するε=35%程度までいずれも破断しなかった. 図6 B試験片の曲げ降伏応力とY添加量の関係 図7 0.15YのB試験片の曲げ変形後の形状 せん断応力CRSSも示した.この結果,τyとCRSSの値が一つの直線に乗ることから両者は同じものであり,Y添加中立面に対し圧延面が垂直なものをTNおよびRN試験片とした.試験片寸法は単結晶試験片と同じとした. 図3 多結晶圧延材の試験片の方位 ここでbは試験片幅,hは試験片高さである.また曲げ降伏応力σyは,ε=0.02%におけるσとした. 単結晶および圧延材共に,表面のすべり線や双晶をノマルスキー型微分干渉顕微鏡およびCCDカメラを用いて観察した.多結晶圧延材は,SEM/EBSD装置(JEOL, JSM- 7001F, OIM Analysis7)を用いて結晶方位解析を行い,変形機構を調査した.また圧延材において,曲げ中立面の位置を測定するために,図4に示すように,試験片表面にカラースプレーでドットパターンを塗布し,DIC法により画像解析で試験片の歪分布を求めた.DICにはGOM社のCorrelateを用いた.図4(b)のように,試験片の長手方向の歪を求め,歪が0となる位置を中立面とした. 図4(a)DIC法に用いた試験片と(b)中立面の決定法 図5 B試験片の3点曲げ応力-歪曲線 − 107 −
元のページ ../index.html#109