図15は,直径de=2.0mm,3.0mm,4.0mm,5.0mmのつり下げ電極球を用いてアルミニウム合金に対して直線(a) de=2.0mm (b) de=3.0mm We=0.06g We=0.20g (c) de=4.0mm We=0.47g (d) de=5.0mm We=0.90g 図13 超音波探傷を応用した機上加工形状計測 のたわみ等に起因して電極の送り量と実際の穴加工長さの誤差が大きくなり,設定値どおりの形状が得られにくく,形状精度が悪化する.加工形状が加工中に外部より計測できれば形状精度の向上につながる.そこで機上での加工途中での計測を可能とするため,図13に示すような超音波探傷法を応用した,加工形状の評価法を検討した.この装置では,工作物前面を0.5mm間隔でスキャンしながら,工作部背面での反射波の強度分布を計測して獲得する.その測定結果を図14に示す.左に工作物背面からの強度分布を色相で示す.反射波強度が高い部分は濃い色相となっており,内部に穴が存在する場合は工作物背面からの反射波がほとんどないため,色相が薄くなる.ここで強度20%の位置のみ抽出すると赤のドットが集合した輪郭形状となる.右に加工後に工作物図15 電極球直径,サーボ基準電圧,および放電電流値による加工可能範囲の変化 図14 工作物背面からの反射波強度マップ, 20%強度抽出ライン,実際の加工穴計状 を切断し撮影した曲がり穴形状を示している.両者を比較したところ,スキャン間隔の0.5mmの精度で両者が一致していた.従って超音波探傷法を活用して工作物背面からの反射波強度分布を調べることで,加工途中の曲がり穴形状を加工機上で精度よく計測できることが明らかとなった.プローブの走査計測間隔をさらに短くすることで精度向上も期待できる. 8.加工穴小径化の検討 これまで主に直径5mm程度以上の曲がり穴加工を検討してきた.近年の工業製品の小型化・軽量化,電子機器や光学機器部品の需要が高まる中で金型も小型化しており,その冷却流路も直径数mmの場合もある.そこで,加工穴の小径化についても検討を行った. 穴加工を行った際の,加工可否に大きく影響する放電電流およびサーボ電圧を変化させた場合の加工可能条件範囲を示している.加工の際には工作物に振幅約185mの振動を付与している.図の◯で示した条件は深さ10mm以上の穴加工が可能な条件,●は深さ10mm以上の穴加工が可能だが,加工が不安定で箔が撓んだ状態で加工される条件,− 69 −
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