助成研究成果報告書Vol33
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図5にパルスモーションを用いた深絞り成形での測定データを示す.スライドのパルス振動に従って,しわ抑え板の垂直荷重とせん断荷重がともに大きく振動していることが分かる.素材に対するしわ抑え力及び摺動摩擦がパルス振動に応答していることが確認できた.図図44 角筒絞絞りり成形形ででののセセンンシシンングデーータタ(材材料料::559900 MMPPaa材材,,ククッッシショョンン圧圧6600kkNN,,ククラランンククモモーーシショョンン)) 図図55 パパルルススモモーーシショョンンででののセセンンシシンンググデーータタ((材材料料::559900MMPPaa材材,,ククッッシショョンン圧圧6600kkNN,,パパルルススモモーーシショョンン)) 成形途中でしわや割れが発生する場合,各荷重の測定データが大きく変化することで,正常時との違いが容易に検出することができる.また,角筒絞り金型のストレート部だけを利用したハット曲げ試験を実施することで,単純に摺動摩擦特性を測定することができる.素材と金型との接触部のしわ抑えの面圧,摺動摩擦抵抗の定量評価より,実プレスの潤滑特性同定に利用することが可能である. 2・2摺動摩擦特性の計測・評価軟鋼板(270MPa材)および高張力鋼板(590MPa材)に対して,サーボプレス機械を用いたハット曲げを行った.プレス速度が低い(1rpm)と高い(10rpm)条件でそれぞれセンサ情報を取得し,比較を行った.低速時の各センサ情報を図6に示す.ハット曲げの進行に伴い,しわ抑え板内蔵センサの垂直力(しわ抑え力)とせん断力(摺動力)が共に上昇するが,摺動力/しわ抑え力を摩擦係数として評価した場合,その値は0.1程度であり,ほぼ一定であった.また,この場合,温度上昇はわずかであり,無視できる程度であることが分かった.ただし,ハイテン材などを用いる場合,しわ抑え力をさらに高くする必要があるので,温度の上昇はもっと大きいと予想される.配置した.実際に製作したしわ抑え板を組込んだ金型の写真,および実験時に使用したデータ記録システムを図2(b)と(c)に示す.また,軸対象の成形モデルとして,円筒絞りの金型も試作した.図3に円筒絞り金型とセンサ内蔵しわ抑え板の写真を示す.成形が軸対象モデルであるため,センサを中心から円周方向の直線上に配置することにより,素材と金型との接触状態や摺動摩擦の情報を内周部及び外周部に関して,同時に得ることができる.また,素材の流入量も金型内蔵変位計などを導入することで測定評価可能である.本モデル実験金型の特徴として,3軸ピエゾ力センサを金型に内蔵することで,垂直方向で最大8kN(30MPa),せん断方向で-1.5~1.5kN(-5.6~5.6MPa)の力(応力)を測定することができる.またセンサの剛性が高く,20kHまでの動的変動に対応できるため,各種物理量を高い周波数応答で測定評価できる.実際に,SPCCとハイテン材を用いて,角筒絞り成形を行い,成形中の素材と金型との接触部の摺動抵抗,しわ抑えの面圧分布,温度のオンラインモニタリングを実施した.成形時でモニタリングしたしわ抑えの垂直荷重,せん断荷重および温度の一例を図4に示す.ストレート分のセンサ情報が途中でサーチレートしているが,スライド変位と荷重のタイミングに同期した形で,しわ抑え板内蔵センサのストレート部とコーナー部のピエゾセンサからの垂直荷重およびせん断荷重,さらにストレート部とコーナー部の熱電対から得られた温度の変化の情報が得られている.ストレート部では,素材の流入量が大きく,それに伴って,垂直荷重,せん断荷重ともにコーナー部より大きく,温度もコーナー部より大きく上昇していることが分かる.(a)円筒絞りモデル実験金型全体イメージ(b)センサ内蔵しわ抑え板概要図図33 円円筒筒絞絞りりモモデデルル実実験験金金型型 − 60 −

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