助成研究成果報告書Vol33
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2.開催場所 仁川(韓国) 3.国際会議報告 3.1 会議概要 キーワード:リンクル,PDMS,立体造形, 弾性毛管力 1.開催日時 2019年10月16~19日 本会議は韓国複合材料学会が主催する国際会議であり、今回で4回目を迎える。金属・高分子材料などの様々な材料機能の向上や新材料の開発に関する基礎から応用までの幅広い研究に関して議論する場である。主に3D加工やセンサー技術、ソフトロボティクスに関する最新の研究成果が発表された。シンポジウムは以下の4つのセクションに分かれて行われた。 ・Symposium on Soft Sensors, Actuators and Robotics ・Symposium on Functional Materials and Structures ・Symposium on Advanced Energy Technology ・Symposium on Space Technology またPlenary Lectureには主に米国より著名な研究者が6名招待され、ソフトマテリアル全般に対する最新の研究が発表された。 3.2 発表概要 以下のタイトルで研究成果を発表した。 ためコスト面においても大幅な生産性の向上が期待できる造形技術である。しかしながら、ナノオーダーからの微細凹凸構造を精密・周期的かつ簡便・迅速に付与できる立体造形技術は未だに達成されていない。一方、弾性薄膜に液滴を滴下すると、薄膜と液滴間に働く弾性毛管力に基づき、薄膜は自発的に3次元状に液滴を包み込むフォールディング挙動を示す。この“Capillary origami”とも呼ばれる挙動は薄膜形状に依存して折り畳まれ、様々な形で内包流体を形作ることができる。 本研究ではフォールディング挙動に着想を得た新たな立体造形・金属立体転写技術の開発を目的とした。弾性薄膜には表面座屈現象により誘起された微細リンクル構造を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)薄膜を用いた。図1 会議場の様子 謝 辞 “Capillarity induced self-folding 3D hydrogel structures of elastic wrinkled sheets prepared by one-push stretching method” 内容:『3Dプリンティング技術』は工程の簡易化・製造装置の小型化が可能であり、従来の真空プロセスを経ない富山県立大学 工学部機械システム工学科 (2019年度 国際会議等参加助成 AF-2019055-X1) 准教授 遠藤 洋史 リンクル薄膜で光架橋性オリゴマー液体をフォールディング後、内包液体をゲル硬化させ、リンクル構造(and 金属蒸着膜)が立体転写された3D造形体の構築を試みた。さらに、ソフトロボティクス造形を視野に入れた膨潤-収縮挙動を示す外部応答性(温度応答型)リンクル造形体の作製も試みた。 矩形に切り出したリンクル薄膜上に液滴を滴下していくと、ストライプ方向に依存したフォールディング挙動が即座に誘起された。フラット薄膜の場合では意図した方向からのフォールディングは困難であり、また滴下量も過分に必要であった。得られた円柱状3D造形体の表面および転写モールド側のリンクル薄膜表面をAFM観察した結果、3D造形体のリンクル波長および振幅と薄膜のそれらは良い一致を示し、良好な立体転写が可能であることが分かった。本PEGDA単体造形においても膨潤挙動(ゲル特性)を確認し、それに応じてリンクル波長も変化した。 さらに、三角形や十字形のリンクル薄膜に金蒸着し(膜厚:約20 nm)、同様の操作によりピラミッド型やキューブ型などの様々な形状の3D造形体を得た。膜厚が20 nm程度であれば、ヤング率の高い金属種が弾性膜上に設けられた場合においてもフォールディングは可能であり、金属ナノ薄膜も立体転写できることが分かった。NIPAmを加えた系においては温水-冷水間で可逆的な膨潤-収縮挙動を確認でき、温度応答機能を有する3D-リンクル造形体の作製に成功した。 本国際会議の参加にあたり、公益財団法人天田財団より国際会議等参加助成を賜わりました。厚く御礼申し上げます。 − 456 −The 4th International Conference on Active Materials and Soft Mechatronics (AMSM2019)

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