助成研究成果報告書Vol33
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vは走査速度[mm/s]、hはレーザー走査ピッチ[mm]である。 造形不可であった条件は×印、造形はできたが上面の形状 Ti粉末供試材として、大阪チタニウムテクノロジーズ(株)製のTILOP-45を使用した。Nb、Ta、Mo、Cr粉末は、それぞれ高純度化学研究所(株)より購入した純Nb粉末NBE03PB、純Ta粉末TAE02PB、純Mo粉末MOE09PB、純Cr粉末CRE03PB を使用した。これらの純金属粉末は粒径が純Ti粉末TILOP-45の粒径に近い製品を選択した。購入した粉末の製造法は、純Ti粉末がガスアトマイズ法、純Nb粉末、純Ta粉末、純Mo粉末、純Cr粉末は破砕法である。これら純金属粉末を意図した組成となるように秤量し、愛知電機(株)製混合機RM10‐3にて混合粉末を作製した。具体的には、1回につき1 kgの混合粉を10時間混合し、合計5 kgの混合粉末を作製した。この混合粉とEOS社製EOS M290を用いて積層造形体を作製した。Fig. 2に得られた造形体の外観写真を示す。造形体の密度はアルキメデス法を用いて測定した。放電加工機を用いて得ら 図3 Ti-20Cr合金造形体のプロセスマップ. 図2 造形体の外観写真. 図4 Ti-20Cr合金造形体の表面形状. が安定していなかった条件は■印、造形もできて上面の形状が安定していた条件は○印で記す。さらに、造形体密度が98%以上であった条件を青、98%未満96%以上であった条件を緑、96%未満94%以上であった条件を黄色で示した。それ以下を赤で示した。レーザー顕微鏡にて撮影した上面部の形状を図4に示す。プロセスマップから密度が最大となった走査速度1000 mm/sに固定して各合金系ごとのエネルギー密度が最大と最小であった条件の造形体から組織観察用試料を切り出して鏡面研磨し、光学顕微鏡にて内部組織を観察した。Ti-20Cr合金における観察結果を図5に示す。図からみて分かるように、低エネルギー密度の条件では造形欠陥であるポアが多数存在するだけでなく、凸状のものが内部に散らばって存在しているのが観察された。SEM-EDX測定より、添加元素が濃化している部分が観察され、融点の高いCr粉末など添加元素粉末の溶け残りが観察された。 れた造形体の最終走査方向と造形方向に対し平行となるように造形体から厚さ1 mmの組織観察用試料を切り出した。エメリー紙 (1000番、2000番、4000番)、コロイダルシリカを用いて機械研磨を施した。弗酸、硝酸および蒸留水を体積割合50:25:5の割合で混合した酸にて腐食し、光学顕微鏡観察及びFE-SEM (JEOL JSM-6500)を用いて微細組織観察を行った。加えて、得られた造形体の相構成をXRDにて同定した。 横軸を走査速度、縦軸をエネルギー密度とし今回作製したTi-Cr合金造形体のプロセスマップを図3に示した。積層厚さは全て同様なので、以下の式で示される単位面積当たりの投入エネルギー量をエネルギー密度として使用した。 ここで、Jはエネルギー密度[J/mm2]、Pはレーザー出力[W]、2.実験方法 3.実験結果 … (1) − 430 −

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