助成研究成果報告書Vol33
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mmmm8)(8)(1010 4. 結論 本研究では、溶接条件とワイヤ溶融-未溶融境界位置の関係をデータベース化し、LSRF5法によりワイヤ溶融-未溶融境界位置予測式を構築した。本研究の予測式を用いることで、550 MPa級鋼用ソリッドワイヤ(ワイヤ径: 1.2 mm)を使用したレーザアシストAr-GMA溶接での適正レーザ照射位置を提案できる。得られた結論を以下に示す。 (1) 各種溶接条件におけるワイヤ溶融-未溶融境界位置に対応するアーク発光領域上端位置を二値化処理によ図7 ワイヤ溶融-未溶融境界位置に及ぼす溶接条件の 示す様に、溶接電流およびアーク電圧が大きくなると、ワ標座端上域領光発クーア標座端上域領光発クーア図6 アーク発光領域上端座標履歴とワイヤ溶融- 図8 予測式の構築に使用しなかった溶接条件におけ るワイヤ溶融-未溶融境界位置の実測値と予測 値の比較. 図8に、予測式の構築に使用しなかった溶接条件としてワイヤ送給速度、溶接電流、チップ-母材間電圧がそれぞれ、7.59 m/min、269 A、33.6 Vとした場合のアーク発光領域の上端座標と、式(7)から得られるワイヤ溶融-未溶融境界位置の予測結果を併せて示す。この図に示す通り、ワイヤ溶融-未溶融境界位置の実測値と式(7)から得られる推定値の誤差は約 1 mmより小さい値である。この誤差はワイヤ径とほぼ同程度あり、十分に適正レーザ照射位置と見なせる予測を行えているといえる。 条件NO. 3条件NO. 6条件NO. 9未溶融境界予測位置の関係 (a) 溶接電流およびアーク電圧の影響 (b) ワイヤ送給速度の影響 影響 イヤ突出し部における抵抗発熱が大きくなり、ワイヤが早期に溶融するためにワイヤ溶融-未溶融境界位置が上昇することを表している。また、図7(b)に示す様に、ワイヤ送給速度が大きくなると、チップからある突出し長さに達する時間が短くなり、抵抗発熱によるワイヤ加熱時間が短くなるために、ワイヤ溶融-未溶融境界位置が下降することを表している。 3・3 予測式の構築に使用しなかった溶接条件におけるワイヤ溶融-未溶融境界位置の予測 条件NO. 3(予測式)条件NO. 6(予測式)条件NO. 9(予測式)WFS= 7.59 m/sV = 33.6 VI = 269 A242016120.20.80.60.4時間 (s)242016120.20.4時間 (s)謝 辞 参考文献 0.80.6実測値予測値(2) 本研究で採用した溶接条件範囲内で平均アーク発光領域上端座標は約7~22 mmの範囲で大きく変化した。 (3) LSRF5法により溶接条件に応じたワイヤ溶融-未溶融境界位置予測式を構築した。予測結果の最大誤差は2 mmであった。 (4) ワイヤ溶融-未溶融境界位置予測式の構築に使用しなかった溶接条件において、予測式によりワイヤ溶融-未溶融境界位置の予測を行った結果、誤差約1 mmの精度で予測できた。 1) T. Nakamura: Quar. J. JWS, 33-2 (2015), 63s. 2) H. Kitano and T. Nakamura: Welding Letters, 36-4 (2018), 5WL. 3) K. Saito and R. Nakano: Proc of the 15th International Joint Conference on Artificial Intelligence, (1997), 1078. 4) David E. Rumelhart, Geoffrey E. Hinton and Ronald J. Williams: Nature, 323 (1986), 533. り収集した。高速度カメラ観察期間内でアーク発光領域上端座標は安定してほぼ一定の値を示した。 本研究は、公益財団法人天田財団 奨励研究助成A(若手研究者)の支援のもと実施された。ここに深く謝意を表明する。 − 428 −

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