助成研究成果報告書Vol33
426/466

図11に接合強度とアンカー構造の関係を示す.図11(a),(b)は接合強度と粒の投影面積率およびアスペクト比の関係である.これらの図では,特定の相関関係は見られない.一方,図11(c)は接合強度と接合率の関係である.接合強度は接合率と正の相関を示すことが分かる.このとき,相関係数R2値は0.66であった.このことから,本研究では接合率の寄与が最も大きかったと考える.これは接合強度図11 接合強度と(a)粒の投影面積率(fArea),(b)粒のアスペクト比(RAspect),(c)粒と基板の接合率(Rbonding),(d)fArea×RAspect×Rbondingの関係4.まとめ謝辞参考文献部分の粒が残存しており,その間にはPA6が残存していた.が高くなるほど,基板から剥離した粒が少なかった破面観察の結果とも対応している.また,図11(d)は接合強度と面積率,アスペクト比,接合率の積の関係である.この場合,より線形的な関係が得られ,R2値は0.79であった.すなわち,面積率とアスペクト比も接合強度に寄与したと考えられる.しかしながら,本研究では接合率が最も大きく変化していた(図8).そのため,接合強度と接合率の相関関係が最も強かった.しかしながら,図11の結果より,接合強度に面積率やアスペクト比も寄与し,これらが大きくなるほど接合強度は大きくなる.以上のことより,基板と強固に接合したアスペクト比の大きな粒が多数存在するほど,接合強度が高くなることが明らかとなった.本研究では,樹脂接合用隆起アンカー層構造に及ぼすレーザ条件の影響およびアンカー層構造と接合強度の関係を調査し,以下の知見を得た.(1)隆起アンカー層を構成する粒の面積率はレーザの面積エネルギー密度が7 J・mm-2を超えると概ね一定となる.(2)粒のアスペクト比はエネルギー密度の増加とともに(3)粒と基板の接合率はエネルギー密度では整理することができない.また接合率には,レーザの出力が大(4)接合強度は粒と基板の接合率と正の相関を示した.また,面積率やアスペクト比を考慮することで線形1)M.Goede, M.Stehlin,L.Rafflenbeul, G.Kopp, E.Beeh, Eur. Transp. Res. Rev. 1(2009),5–10.S.T.Amancio-Filho, J.F.dos Santos,Polym. Eng. Sci. 49(2009), 1461–1476. P.Kah, R.Suoranta, J.Martikainen, C.Magnus, Rev. Adv. Mater. Sci. 36(2014), 152–164.2)3)4)G.Boothroyd, L.Alting, CIRP Annuals 41(1992), 625–636. J.D.Venables,J. Mater. Sci. 19(1984), 2431–2453.J.B.Nielsen, J.V.Boll, A.H.Holm, R.Højsholt, P.Balling, Int. J. Adhesion &Adhesives 30(2010), 485–488.5)6)7)W.S.Kim, I.H.Yuh, J.J.Lee, H.T.Jung, Int. J. Adhesion & Adhesives 30(2010), 408–417.8)Y.Kajihara, Y.Tamura, F.Kimura, G.Suzuki, N.Nakura, E.Yamaguchi, CIRP Annals -Manufacturing Technol. 67(2018), 591–594.9)T.Kleffel, D.Drummer,Compos Part B 117(2017), 20–25.10)S.G.Kim,A.Suzuki, N.Takata, M.Kobashi,J. Materials Processing Technol. 270(2019), 1–7.11)S.G.Kim,A.Suzuki, N.Takata, M.Kobashi,J. Materials Processing Technol. 276(2020), 116388.12)F. Lambiase, S.Genna, Int. J. Adhesion & Adhesives, 84 (2018), 265–274.減少する.きく寄与する.性が改善した.これらのことから,基板と強固に接合したアスペクト比の大きな粒が多数存在するほど,接合強度が高くなることが明らかとなった.本研究は,公益財団法人天田財団の奨励研究助成Aの支援を受けたものである.ここに特記して謝意を記す.− 424 −

元のページ  ../index.html#426

このブックを見る