助成研究成果報告書Vol33
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図8(b, d, f) エネルギー密度に対する変化.図8に図6および7のようなSEM像より定量評価した,粒の投影面積率,粒のアスペクト比,粒と基板の接合率を件については省略した.粒の内部に観察される明部はTiC粒子である.200 Wおよび250Wの条件や300 W-100 mm・s-1の条件では,粒と基板との間に多くの空隙が観察され,あまり良好に粒と基板が接合していないことが分かる.一方,400 W-10 mm-1の条件では,ほとんど空隙が見られず良好に接合していることが分かる.概ね高出力・低走査速度になるほど,接合性が改善される傾向が見られた.また,高出力・低走査速度になるほど,TiC粒子だけでなく,-Al相(暗部)が粒内部にも観察されるようになり,粒の高さおよび幅が大きくなる傾向が見られた.示す.粒の投影面積率はレーザ走査速度の増加とともに減少した(図8(a)).また,同じレーザ走査速度で比較すると,高出力ほど粒の投影面積率は高かった(図8(a)).図8(b)は粒の投影面積率とエネルギー密度の関係である.約7J・mm-2まではエネルギー密度の増加とともに投影面積率は増加し,7J・mm-2以上では約65%で一定となった.粒のアスペクト比はレーザ走査速度に対して概ね一定であった(図8(c)).また,同じ走査速度で比較すると,低出力ほどアスペクト比は大きかった(図8(c)).図8(d)は粒(a, b) 粒の投影面積率,(c, d) 粒のアスペクト比,(e, f)粒と基板の接合率の(a, c, e)レーザ走査速度,のアスペクト比とエネルギー密度の関係である.エネルギー密度が増加するほど,アスペクト比が減少する傾向が見られた.粒と基板の接合率はレーザの走査速度の増加に伴い減少した.また,同じ走査速度で比較すると,レーザ出力が増加するほど接合率は向上した.図8(f)は粒と基板の接合率とエネルギー密度の関係である.エネルギー密度が大きくなるほど,接合率が増加する傾向が見られるものの,データのばらつきが大きかった.すなわち,接合率の変化はエネルギー密度では整理できない.式(1)に示すように,エネルギー密度ではPとvの寄与は数学的に等価である.一方で,接合率の変化はエネルギー密度では整理できないため,Pとvの接合率への寄与は等価ではないと考えられる.そこで,Pとvの寄与を重回帰分析により推定したところ,P・v-0.2とすることで,最も相関係数が高かった.すなわち,接合率にはレーザ出力の方が走査速度よりも大きく寄与することが分かった.粒はTiCが骨格となることで形成する10).また,粒と基板の接合性は界面反応によるAl3Tiの形成が寄与していることが分かっている10).本研究では,Al-Ti-C混合粉末の組成は固定しているため,形成するTiCの量は一定とみなせる.そのため,十分にレーザのエネルギーが投入され− 422 −

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