助成研究成果報告書Vol33
409/466

図8に-Cでの加工中の各断面写真を示す.図6(b)に示した各公称せん断応力(点A~C)までパンチプレスした後は加工を中断し,断面1および2へ切断して得た写真である.点Aでは,上下層の繊維破断や樹脂割れによるき裂が観察された.点Bでは,上下層の繊維や樹脂が完全に切断されていた.+Cでの場合と比較して,中間層はクリアランス部において局所的にせん断変形しており,上層の0°/90°層間にはく離が発生していた.点Cでは,中間層の樹脂がほぼ切断され,繊維破断が発生するとともに大きくせん断変形していた.このとき,上層の0°/90°層間はく離はさらに進展するとともに,下層の0°/90°層間にもはく離が発生していた.4.結び謝辞なり,樹脂割れや繊維破断が発生していた.このとき,上層の0°/90°層間にはく離が発生していた.以上の観察結果より,公称せん断応力が線形的に増加する領域では,上下層の繊維切断や樹脂割れによるき裂進展が進む.1度めの最大公称せん断応力を迎えた後は,上下層の繊維や樹脂切断が起こり,2度目の最大公称せん断応力を迎えたとき,中間層の繊維破断が起こるとともに樹脂割れが発生し,上層の層間はく離が中間層のせん断変形に伴う曲げによって発生する.図7+Cでのパンチ加工挙動 3・3・2マイナスクリアランス以上の観察結果より,公称せん断応力が線形的に増加する領域では,+Cでの場合と同様に,上下層の繊維切断や樹脂割れによるき裂進展が進む.1度目の最大公称せん断応力を迎えた後は,上下層の繊維や樹脂切断が起こるとともに上層の0°/90°層間はく離が発生する.2度目の最大公称せん断応力を迎えたとき,中間層の繊維破断が起こるとともに樹脂が切断するとともに,上層の層間はく離が中間層のせん断変形に伴ってさらに進展する.以上の結果より,マイナスクリアランスでの加工では,プラスクリアランスでの加工と比較して,高いせん断応力が発生するため,局所的な高いせん断応力によって加工面がより平滑になる.一方で,せん断応力は共役性のため,パンチプレス方向に対して垂直方向にもせん断応力が作用する.ゆえに1度目の最大公称せん断応力を迎えたとき,上層の0°/90°層間はく離を発生させると考えられる.さらに局所的なせん断変形によって加工されるため,断面2の方向では,顕著に層間はく離を招くと考えられる.本研究では,直交CFRP積層板に対してプラスからマイナスまでクリアランスを可変してパンチ穿孔加工を実施した.その結果,マイナスクリアランスは,プラスクリアランスと比較して平滑な加工面が得られるとともに穿孔周りの損傷量を低減できることが明らかとなった.ただし,上層繊維方向と垂直な面では,層間はく離が発生しやすいことが明らかとなった.これは,マイナスクリアランスによって起こる局所的なせん断変形に起因している.本研究を遂行するにあたり,公益財団法人天田財団平成29年度奨励研究助成A(若手研究者)(AF-2017039)の助成を受けた.ここに記して感謝の意を表する.図8-Cでのパンチ加工挙動− 407 −

元のページ  ../index.html#409

このブックを見る