助成研究成果報告書Vol33
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図4-Cでのパンチ加工後の穿孔断面観察図5に軟X線観察結果を示す.矢印で示す穿孔周りの黒色の領域は,加工によって生じた加工面の欠落部や層間はく離に相当する.+Cでの加工の場合,穿孔周り全周に渡って損傷領域が観察された.一方,-Cでの加工の場合,表面繊維に対して垂直および平行方向付近において損傷領域が主に観察された.これは図4と対応させると層間はく離領域と考えられる.+Cと-Cにおける損傷領域の投影面積はそれぞれ9.74mm2および6.55mm2であり,マイナスクリアランス加工では約33%の損傷面積が低下した.以上の結果より,マイナスクリアランスでは,特定の方向にやや長い層間はく離は生じるが,加工面は平滑であり,穿孔周りの損傷量は低減させることができる.図5穿孔の軟X線観察3・2加工中のせん断応力-変位線図図6に+Cおよび-Cでの穿孔加工中に得られた公称せん断応力-クロスヘッド変位線図をそれぞれ示す.公称せん断応力は,パンチ荷重Fを加工面積dtで除いて算出した.+Cの場合(図6(a)),公称せん断応力は,変位の増加に伴って線形的に増加した.最大値(点a)に到達後,不連続に低下するが,また増加して再び最大値(点b)に到達した.その後,公称せん断応力は,不連続に低下した.このとき,点aおよびbの公称せん断応力はほぼ等しく,公称せん断応力は325MPaであった.一方,-Cの場合(図6(b)),+Cの線図とほぼ同じ挙動を示した.しかしながら,最大公称せん断応力は,387MPaであり,高い値を示した.線図の挙動はほぼ類似しているが,最大公称せん断応力の違いは,積層板の中の加工損傷挙動の違いに起因していると考えられる.図6パンチ加工中の公称せん断応力とクロスヘッド 変位線図3・3加工中の損傷挙動3・3・1プラスクリアランス図7に+Cでの加工中の各断面写真を示す.図6(a)に示した各公称せん断応力(点A~C)までパンチプレスした後は加工を中断し,断面1および2へ切断して得た写真である.点Aでは,上下層の繊維破断や樹脂割れによるき裂が観察された.点Bでは,上下層の繊維や樹脂がほぼ完全に切断されており,中間層はせん断変形していた.点Cでは,中間層のせん断変形がさらに大きく− 406 −

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