3.研究成果ド速度は1mm/minに固定した.以後,+Cおよび-Cと称する.試験後,デジタルマイクロスコープおよび軟X線装置により穿孔外観および内部損傷(加工による欠落部や層間はく離)を非破壊的に観察した.さらに穿孔の加工面および内部損傷状態を調査するために,穴の中心を通る二つの断面(ワーク表面の繊維方向に対して平行および垂直な方向,以後,断面1および2と称する)にワークをダイヤモンドカッターで切断し,断面を研磨後,走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.図1パンチ加工治具とクリアランスの模式図3・1加工品位図2にパンチプレス加工後の穿孔の表面および裏面の写真を示す.+Cにて加工した場合,穿孔周りに炭素繊維を除去できず,わずかなバリが残存していた.また表面の穿孔周りには局所的な変形が生じていた.一方,-Cにて加工した場合,穿孔周りにバリは観察されなかった.穿孔周りには局所的な変形が生じており,+Cの場合と比較して変形量は大きかった.図3に+Cにて加工した穿孔の断面写真を示す.加工面は,いずれの断面においても凹凸を呈しており,明らかな加工面品位の異方性が観察された.中間層では,樹脂割れ(図3(a))が観察された.また,断面2の0°/90°層間にはそれぞれはく離発生していた(図3(b)).図4に-Cにて加工した穿孔の断面写真を示す.+Cの加工と比較して,加工面は凹凸を呈しているものの比較的平滑な面を呈していた.断面1では特に平滑に加工されていた.中間層の樹脂割れ量は少ない(図3(a))が,断面1および2ともに0°/90°層間にはく離がそれぞれ発生していた.図2および3でそれぞれ示した断面2における0°/90°層間で観察されたはく離長さを測定した.層間はく離長さはSEM像からソフトを用いて測定した.+Cおよび-Cの加工によって発生した層間はく離の長さは,平均して0.368mmおよび0.483mmであり,-Cでの加工では,層間はく離は長くなる結果を得た.図2パンチ加工後の穿孔表面と裏面の観察図3+Cでのパンチ加工後の穿孔断面観察− 405 −
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