助成研究成果報告書Vol33
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・(0, 20)・(0, 30)・(0, 60) yyyxxxyxyx 図10.2光束干渉によるエバネッセント光強度分布の ・(0, 20, 120,  140, 240, 260) ・(0, 30, 90, 120, 180, 210, 270, 300) 8光束 図11.多光束干渉によるエバネッセント光強度分布の S polarization10 μmS polarization10 μm5 μm10 μm5 μmP polarizationP polarizationインプロセス観察(方位角の違い)[S偏光入射とP偏光入射] 6光束 インプロセス観察(6光束,8光束)[S偏光入射とP偏光入射] − 396 −ファイバ射出光からの光はレンズ1でコリメートし,偏光子を通してフィルタに入射する.このフィルタのピンホール(開口120 m)から広がる準球面波が,ラジアル偏光素子を通して偏光制御され,最終的に対物レンズを通過して準平面波として露光面に入射する.フィルタ位置と対物レンズ内部の後ろ側焦平面が共役の関係にあるのと同時に,ファイバ射出口位置,そしてレンズ2とレンズ3の中間地点,および露光面が共役の関係になる.露光量の制御はシャッタを用いて行う.また樹脂を乗せるカバーガラスはその位置をXYステージで制御することができ,カバーガラス上の位置を動かしつつ,一回露光するごとに条件を変化させることができる 2・5 全方位多光束エバネッセント波のインプロセス観察 図9の実験装置は,露光面に対して,無限遠補正型の顕微システムを実装しており,露光面上の強度分布をインプロセスで光学的拡大観察することができる.図10は,2光束干渉時のエバネッセント光強度分布のインプロセス観察像であり,2光束間の相対的な方位角変動が干渉縞強度分布に及ぼす影響を調べたものである.左がS偏光入射時,右がP偏光入射時のものである.方位角差の広がり(20,30,60度)とともに,理論通りに,干渉縞の向きおよび間隔が変動(870, 580, 300 nm)し,またP偏光に比べ,S偏光時はコントラストが低下する.図11は,6光束および8光束のとき(方位角条件は,それぞれ左に記載)の観察像である.それぞれ下には,シミュレーション結果を比較のため示している.インプロセス観察光学系の光学的解像力およびCCDピクセルサイズの関係で,微細分布の詳細比較は困難であるが,マクロな構造分布としては,多光束においてもシミュレーション結果に対応した強度分布が生成されていることが分かる. 2・6 全方位多光束エバネッセント波一括露光実験 開発装置を用いて光硬化性樹脂の微細構造形成を試みた.ここでは,光硬化性樹脂として,ウレタンアクリレートオリゴマーに可視域反応性光重合開始剤を混合したものを用いた.硬化造形物は,原子間力顕微鏡でトポグラフィ像を計測し,構造に含まれる周期成分を二次元フーリエ変換することで抽出した.図12, 13はそれぞれ,6光束エバネッセント波干渉 (0, 20, 120, 140, 240, 260),および8光束エバネッセント波干渉 (0, 30, 90, 120, 180, 210, 270, 300)を一括露光させた際に,得られた樹脂硬化物の結果である.2光束3方位入射干渉による結果(図12)については,トポグラフィ像からも明らかであるが,フーリエ変換像においても6つの輝点,すなわち3方向の干渉縞が観察できた.それぞれの縞間隔は860 nm,870 nm,890 nmであり,これは対向角20°の干渉縞間隔である871 nmと一致する.ただし,より対向角120°や140°といったより大きい対向角による狭い間隔の干渉縞については確認できなかった.

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