図6. 250 WのCWレーザーを掃引速度 1,500 mm/s〜150 mm/sの範囲で照射した結果。 (a), (b), (c)の段はそれぞれ、照射直後、1日後、10日後の試料写真。照射強度は3.2×104 W/cm2、各段の (-1), (-2), (-3), (-4)に対応した照射フルーエンスは、21 J/cm2, 42 J/cm2, 105 J/cm2, 210 J/cm2に相当する。 図7. ニッケル鉱石の貫通加工:(a) レーザー照射側から見た貫通痕、(b) 貫通した瞬間の映像。 ((a)と(b)は異なる加工サンプル) 3・3 ニッケル鉱石の加工 次に、ニッケル鉱石のレーザー加工を試みた。用いたニッケル鉱石は20〜40 mm程度の不規則な形状で、原産地はフィリピンである。主な成分は、SiO2 38-48 %、MgO 33-38 %、Fe 5-10 %、Al2O3 0.8-1.2 %で、僅かにNi が0.8-1.0 %含まれている。 このニッケル鉱石にスポット径0.6 mmΦで140 Wのレーザー光を集光して貫通加工を試みた。照射強度は約50 kW/cm2となる。図7に厚さ約20 mmのニッケル鉱石の (a) 貫通加工した試料をレーザー照射側から見た写真、(b) 貫通した瞬間を真横から撮影した写真(動画の一コマ)を示す。貫通に要した時間はビデオフレームの解析から約0.6秒であり、意外と短時間で貫通できていることが分かる。 穴開けは容易にできたが、切断やコア抜きは困難であった。一旦溝が形成され始めると溝内でレーザー光が散乱されるためか、或いは溶融部が形成され溝の埋め戻しが始まるためか、連続的な貫通には至らなかった。変調パルスを用いて入熱を制御する、切り幅を広げる、アシストガスを用いる、などの工夫が必要であると思われる。 3・4 コンクリートの溶融ビード形成 CWファイバーレーザーの主要な用途として金属部材の溶接が挙げられる。同様のことをコンクリート等に対して行う図8. 掃引速度を (a) 22.5 mm/s、(b) 11.3 mm/s、(c) 4.5 mm/s、(d) 2.3 mm/s、(e) 1.13 mm/s、(f) 0.45 mm/s と変えながら形成したコンクリートの溶融ビード。 ことができるのであろうか? コンクリートはセメントと骨材を混ぜて固めたものであり、その主成分はシリカ(SiO2)である。レーザー光で溶融させることによりガラス化を誘起し、部材同士を接合できることが期待される。 金属溶接の条件出しにおいて、材料表面にビード(溶融部の盛り上がり)を形成して、その形成状態を確認する手法をとることがある。同様のことをコンクリートに対して行ってみた。100 Wのレーザー光を集光し掃引速度を変えながらビード形成を試みた。図8に掃引速度を、(a) 22.5 mm/s、(b) 11.3 mm/s、(c) 4.5 mm/s、(d) 2.3 mm/s、(e) 1.13 mm/s、(f) 0.45 mm/s と変えながら形成した溶融ビードの写真を示す。スポット径は0.6 mmφであるため、照射強度は35 kW/cm2となる。掃引速度4.5 mm/sの場合、フルーエンスは約4 kJ/cm2に相当する。掃引速度が遅くなるに従って単位面積当たりの入熱量が増え、ビードの幅が広がりガラス化した盛り上がりが確認できた。 3・5 石板の接合 コンクリートをガラス化させて溶融ビードを形成できるこ− 391 −
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