図4 (a) Fe2O3添加材を800℃で0.5 hならびに4 h熱処理した試料における表面近傍の硬度分布、ならびに表面図6に示す。直径が5~50 nmの微細な粒子が結晶粒内とNiOが固体酸素源として機能することが示されたのをAr雰囲気下でレーザー積層造形した。積層造形体表800℃/4 hの熱処理を施したのち、TEM観察した結果をFeAl2O4であることが明らかとなった。すなわち、熱処FeAl2O4粒子として新たに析出したと判断される。 内部組織を観察すると、酸素源となるFe2O3粒子が粒内に分散されていることが確認できる(図5(b))。Fe2O3粒子の分布が不均一な領域も観察されるが、数μmの領域で比較すれば、場所による酸化物のバラツキは小さい。 レーザー積層造形により作製した試料を、真空中で部に高密度かつ均一に分散していることが確認できる。電子線回折像を解析した結果、微細な分散粒子は理中、あるいはレーザー積層造形中にFe2O3が分解されて酸素が内方拡散し、母相のAlと固相状態で反応して純鉄、Fe-0.62Al合金、および熱処理後の積層造形体についてビッカース硬度を測定した結果を図7にまとめる。純鉄およびFe-0.62Al合金のビッカース硬度は、それぞれ60 Hv、75 Hv 程度であるのに対し、熱処理後の積層造形体のビッカース硬度は121 Hvと純鉄と比較して約2倍に増加している。この硬度上昇は微細なから(b) 0.5 μm、(c) 3.0 μm、(d) 5.5 μmの距離にある領域のTEM組織。 3・2 レーザー積層造形への応用 従来、ボールミルやアトライターなどを用いたODS合金の作製は、粉末の混合・粉砕の過程で酸化物粒子を均一分散させることに主眼が置かれてきた。それに対して、本研究で着目する固体酸素源を用いた酸化物分散法は、焼結後の熱処理中に固相反応を介して酸化物を均一分散させることに特徴がある。この手法は、酸素源となる酸化物の初期分散がある程度不均一であっても、熱処理により微細な酸化物を粒内に分散できるので、レーザー積層造形へ適用できる可能性がある。前項にて、Fe2O3で、ここではFe2O3に対象を絞り、本手法の積層造形法への適応性を検討した。 前項で用いた、約0.3 μmのFe2O3粉末がFe-Al合金粉末の表面に多数担持されている混合粉末(図1 (a) (d))面ならびに内部のSEM像を図5に示す。表面の凹凸形状から(図5 (a))、レーザー照射により積層造形用混合粉末が溶融・凝固したことが確認できる。積層造形体の− 372 −
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