図3 酸化物の析出が観察される粉末表面からの距図2 固体酸素源を添加したFe-0.62at.%Al合金粉末(図1)の圧粉体を800℃で4 hの熱処理した試料のSEM化6-8) や内部窒化9,10) でも報告されている。 材における酸化物の析出反応は、NiO添加材よりも若干早く進行するが、誤差を考慮するとその差は小さいと判断される。他方、SiO2添加材では酸化物の析出反応は進行しない。すなわち、Fe2O3とNiOはナノ酸化物の形成を誘起する固体酸素源として機能するものの、SiO2は固体酸素源として機能しないことが分かった。 試料における表面からの硬度分布を図4 (a)に示す。熱処理により表面近傍で硬度が明瞭に増加しており、0.5 h熱処理材および4 h熱処理材で発達した硬化層はそれぞれ約5 μm、 8 μmと見積もられる。これは組織観察により確認された析出距離ξと一致する。0.5 h熱処理後について、表面から(b) 0.5 μm、(c) 3.0 μm、(d) 5.5 μmの距離にある領域をFIBでマイクロサンプリングし、TEM観察した結果を図4 (b)-(d)に示す。表面から内部に行くほど、Al酸化物の数密度は減少するが、析出した酸化物の粒子径はほぼ一定である。同様の結果がNiO添加材についても観察される。すなわち、本手法による析出する酸化物粒子のサイズは、固体酸素源からの距離には大きく依存しないと判断される。同様の現象が、内部酸Fe2O3添加材を800℃で0.5 hならびに4 h熱処理した組織。(a) (d) Fe2O3、(b) (e) NiO、 (c) (f) SiO2。(d)~(f)は(a)~(c)の拡大像。 ことを示唆する。他方、SiO2添加材(図2(c)-(f))においては、酸化物の析出は観察されない。 合金粉末内で酸化物が析出した領域について、粉末表面からの距離を測定し、熱処理時間に対して整理した結果を図3に示す。Fe2O3添加材ならびにNiO添加材における析出距離ξは、熱処理に伴い増大する。Fe2O3添加離と時間の関係。 − 371 −
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