キーワード:酸化物分散強化合金,レーザー積層造形,固体酸素源 1,研究の目的と背景 Strengthened)合金は、金属母相中に硬質な酸化物粒子ODS合金へ適用する際は、酸化物をいかに結晶粒内に東北大学 大学院 工学研究科 (平成29年度 一般研究開発助成 AF-2017229) 准教授 関戸 信彰 2.実験方法 nm程度のFeAl2O4粒子やγ-Al2O3粒子が高密度に析出すFe-0.62Al (at.%) と決定された。目開き75 μmのふるいFe2O3、NiO、SiO2を固体酸素源に選択し、Fe-0.62AlFe2O3: 99.9%, 0.3 μm、NiO: 99.97%, 1 μm、SiO2: 99.9%, 1 μmである。固体酸素源の添加量は、添加後の合金のO作製法を提案した4) 。Fe-Al合金粉末とFe2O3粉末の混合粉末を焼結したのち時効熱処理を行うと、粒子径15 る。この手法は、ナノサイズの酸化物粒子を分散させるのにミリング処理を必要としないことに特徴がある。すなわち、初期に投入するFe2O3は、転位運動を阻害する酸化物ではなく、粒内に微細なAl酸化物を形成させるために必要な酸素を供給する「固体酸素源」である。この手法に基づけば、酸素源の初期分散が不均一であっても、熱処理を介して微細酸化物粒子を均一に析出させることが可能となるので、積層造形に応用できる可能性がある。そこで本研究は、ナノ酸化物析出に有効に機能する固体酸素源の条件を見出すとともに、固体酸素源を用いた酸化物分散法がレーザー積層造形法へ適用できるか調査することを目的とした。 高純度原料 (Fe: 99.99%, Al: 99.99%) をAr雰囲気中でアーク溶解し、Fe-Al二元系母合金を得た。この母合金をZrO2るつぼ内で再溶解し、るつぼ下部の孔から滴下する溶湯に高圧Arを噴射するガスアトマイズ法により合金粉末を作製した。合金粉末の組成は、誘導結合プラズマ発光分光分析法 (ICP-OES) によって分析し、を用いて粗大な粉末粒子を除去した。粗大な粉末粒子を除去した合金粉末の平均粒子径は25 μmであり、粒子は多結晶組織を有している。詳細は参考文献4,5) を参照されたい。 粉末と混合した。固体酸素源の純度と平均粒径は、酸化物分散強化型(ODS: Oxide Dispersion を分散させて高強度化した合金である。酸化物粒子間の距離が短いほど強化量は大きくなるので、分散粒子の体積率が一定のときは、粒子が微細であるほど合金の強度は向上する。また、金属母相中の分散粒子は高温で粗大化して強度低下をもたらすが、酸化物粒子の粗大化速度は炭化物や金属間化合物のそれよりも遅いので、優れた高温強度が長時間維持される。 上記のように、ODS合金は優れた強度特性を有するものの、複雑形状を有する構造体の創製が難しいという課題がある。もちろん、耐熱合金は概して加工性が低いものが多く、Ni基超合金などでは精密鋳造により最終製品形状に作り込む技術が確立されているものの、ODS合金は、鋳造法の適用が難しい。それは、比重の異なる金属溶湯と酸化物は均一に混ざり難いことに加え、酸化物粒子は凝固の固液界面に押されて最終凝固部に凝集する傾向にあるため、凝固プロセスでは粒内に酸化物を均一分散させることが困難なためである。 近年、難加工性の素材に任意の形状を付与できる新技術として、粉末積層造形法が注目されている。粉末積層造形法も通常金属粉末を溶解するプロセスを含むので、均一分散するかが課題となる。この課題を解決する方法として、金属粉末と酸化物粉末をあらかじめメカニカルアロイング法で合金化した粉末を積層造形し急冷する手法1,2) や、レーザー照射溶融部に微細酸化物粒子をノズルで直接照射する手法3) などが提案されている。しかしながら、ナノサイズの微細な酸化物粒子を粒内に均一分散することはできていない。 近年著者は、固体の酸素源を用いた新たなODS合金− 369 −レーザー積層造形法による超微細酸化物分散強化型合金 の創製法確立
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