助成研究成果報告書Vol33
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mm 07 )86420ABCD /本(数のれ割3.割れ低減のための加工条件の検討 3・1 加工条件と変形量の関係 以上の結果から,めっきを施すことによりレーザ肉盛時のWCの溶出を抑えることができ,肉盛層に発生する割れを低減することができたと考えられる. 2・3 加工条件と割れの関係 めっきを施した炭化物を利用することにより,炭化物を含有した肉盛層の割れを低減できることがわかった.次に,加工条件と割れの関係について検討した.実験条件は,レーザパワー(設定値)1.2 kW ~ 1.6 kW,ヘッド送り速度3 mm/s ~ 10 mm/s,粉末供給量ステライト6:約2.6 g/min. ~ 約13.0 g/min.,WC:約2.0 g/min. ~ 10.0 g/min.の間で変化させた.なお,粉末の混合比を一定にするために,ステライト6とWCの供給量の重量比をステライト6:WC = 1.3:1で固定した.また,肉盛高さを,ある程度等しくするためにヘッド送り速度と粉末供給量の比を一定にした.肉盛長さと肉盛層数は前節と同じく,それぞれ70 mm,3層とした. 光学顕微鏡を用い,肉盛層長さ70 mmあたりの表面の割れ数を測定した結果を図3に示す.図中のA~Dは表2に示す加工条件に対応している.条件A~Cは,めっきを施した炭化物を使用しており,条件Dは,めっきを施していない炭化物を使用している.条件Aと条件Dは,めっきの有無以外は同じ加工条件である. 201816141210 図3 各加工条件での割れ数の測定値 条件 レーザパワー A B C D ヘッド送り速度 (kW) (mm/s) 1.2 3.0 1.2 5.0 1.6 10.0 1.2 3.0 条件Aと条件Dを比較すると,条件Dの割れの数は条件Aの3倍であり,炭化物へのめっきが割れ抑制に効果があることを改めて確認することができた. また,条件A~Cを比較すると,ヘッドの送り速度が遅いほど割れの数が少なくなっていることがわかる.この要因としては,送り速度が遅いほど,基材への入熱が大きく,基材を予熱する効果があったことが考えられるが,今後,詳細に検討を行う必要がある. 前節において,加工条件により,割れ発生の頻度が変わることを明らかにした.レーザ肉盛で割れが発生する要因として,肉盛後の冷却過程において基材の収縮量と肉盛層の収縮量が異なるために発生する残留応力が考えられる.したがって,残留応力が小さくなる条件で肉盛を行うことで,肉盛層に発生する割れの数を減らすことができると考えられる.肉盛層の残留応力を直接測定することができれば,残留応力が小さくなる加工条件の検討も容易であるが,肉盛層の残留応力を直接測定することが困難であったため,薄い基材に肉盛を施し,基材の変形量から相対的に残留応力が小さくなる加工条件について検討を行った. 肉盛実験について以下に述べる.マトリクスにはコバルト基合金ステライト6(粒径53 m ~ 150m)を用い,基材には厚さ4 mm,大きさ25 mm × 100 mm,材質SUS304の板を用いた.レーザ肉盛装置は,前章の実験と同じシステムを用いた.キャリアガスおよびシールドガスについても前章と同様にアルゴンガスを用い,肉盛中はシールドガスとして肉盛ヘッドのノズルからアルゴンガスを20 L/min.供給した. 図4に,レーザパワーを1.6 kW(設定値)で一定とし,ヘッドの送り速度と粉末供給量を種々変えた加工条件で得られた肉盛層の高さと変形量の関係を示す.また,この変形量の定義を図5に示す.図5は肉盛した試料の縦断面の模式図であり,変形量は基材裏面の中心から肉盛方向に平行に40 mm離れた位置での変形量とした. 図4から,ヘッドの送り速度にかかわらず,肉盛高さが高いほど変形量が大きくなるという傾向が見られる.また,4 mm/s以上の速度では,多少のばらつきはあるものの変形量にあまり差はないが,2 mm/sの速度の場合は表2 加工条件 ステライト6 供給量 (g/min.) 3.9 6.5 13.0 3.9 WC供給量 炭化物への (g/min.) めっき 3.0 5.0 10.0 3.0 あり あり あり なし − 359 −

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