図6 切削速度40 m/minにおける切削抵抗の変化 表2 切削液の特性 図7 切削速度120 m/minにおける切削抵抗の変化 図5 切削液の濡れ性 図6に切削速度40 m/minで加工をおこなった際の切削抵抗の変化を示す.図中のウェットは水溶性切削油剤,水は水道水,オイルは不水溶性切削油剤をそれぞれ示す. 容易に想定されることではあるがドライの場合は切削抵図8に加工終了後の工具逃げ面の損傷状態を示す.切削速度40 m/minでは,ドライの場合に大きな欠損があった.水道水ミストと高浸透水ミストの場合は,水溶性切削油剤②切削液供給方法が切削特性に及ぼす影響 上述した切削実験により,適正な切削条件を選定することにより,難加工材と言われているインコネル625合金の肉盛層ならびに溶製材の切削が可能であることが明らかにできた.そこで次に被削材を肉盛材に限定し,切削液の供給方法が切削特性に及ぼす影響について調査した. 切削条件は,切削速度:40,120 m/min,送り:0.03 を供給しないドライおよびミストによる供給方法を採用した.その理由を以下に記す.近年レーザ粉体肉盛溶接と切削の機能を併せ持つ複合機が市販されている.レーザ粉体肉盛による造形と切削を交互に繰り返すことにより,一台の装置で所定の形状の製品を形成することが可能となっている.造形と切削を繰り返す際,切削液がレーザ照射面に多量に残留していると,レーザ照射による液体の気化・膨張により肉盛層にポロシティの発生が懸念される. 上記の理由よりドライ切削が望まれるが,工具寿命の低下が想定されることから,切削液量の低減が期待されるミストによる供給も評価することとした.切削液として,不水溶性切削油剤,水道水,水道水に添加剤として界面活性剤を1%添加して浸透性のみを向上させたもの(以降高浸透水と記す)を採用した.これらの切削液の特性をまとめ,表2に示す.また図5にインコネル625合金による肉盛層上に滴下した切削液の拡がりを示す.高浸透水は拡がりが大きく濡れ性が良い,すなわち浸透性が高いことが推定される. 抗が最も大きく,水溶性切削油剤と高浸透水ミストは同程度の切削抵抗,さらに水道水ミスト,不水溶性切削油剤ミストの順で切削抵抗は低くなった.不水溶性切削油剤ミストの切削抵抗は低く,潤滑性の効果が表れていると考えられる.またいずれの場合も加工距離の増加に伴い切削抵抗が上昇する傾向を示している. 切削速度120 m/minでの切削抵抗の変化を図7に示す.加工距離の増加に伴い,ドライ,水道水ミスト,不水溶性切削油剤ミストの抵抗値は急激に増大した.特にドライと不水溶性切削油剤ミストでは工具の損傷が顕著であったため,1,200 mm時点で加工を中止した.一方,高浸透水ミストでは,水溶性切削油剤とほぼ同等の低い切削抵抗のまま1,800 mmまで加工が可能であった. や不水溶性切削油剤ミストに比べて凝着物が多くみられた.不水溶性切削油剤ミストでは,凝着はほとんどないが,複数の小さな欠けが発生した. mm/tooth,径方向切込み:0.5 mm,軸方向切込み:3.0 mm,加工距離:1,800 mmとした.切削液供給方法は,先におこなった水溶性切削油剤を直接供給する方法に加え,油剤− 355 −
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