助成研究成果報告書Vol33
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( P rewoP resaL( erutavruc fo noitisop gnitratS)W250)05 図14 走査速度と2点目のレーザ出力における 図15 ドライ割断したガラス mm図16 初期き裂長さと反りの起点位置との関係 図16に割断したガラスを示す.今回の実験では,全て加工初期段階で図のような反りがみられたが,円形の2点加熱よりも反りは小さくなった. も大きかったため,まったくき裂を誘導できないなかった.また,2点照射であっても,熱源間距離が広がると,図10(b)の場合のように,大きく反りが発生し,まったくき裂が誘導できていなかった. 次に,厚みが異なるt=0.5 mm,t=0.3 mmのガラスでも実験を行った.t=0.5 mm,における結果を図11に示す.実験の結果,ガラスの厚さがt=0.5 mmの場合,t=1 mmのガラスでは割断に成功しなかったv=80 mm/sでも割断に成功することが出来たが,熱源間距離が35 mm以上では割断することが出来ず,割断に成功する熱源間距離の幅が狭まった.また,低速の場合,1点照射でも割断を行えた. 次に,ガラスの厚さがt=0.3 mmで実験した結果を図12に示す.図より,v=90 mm/s以上の更に高速域でも割断が可能になった.しかし,このガラスでは,速い速度の場合でも,1点照射で割断が可能であった.これらの結果から,薄いガラスでは1点照射による割断が可能な条件しか見いだせなかったが,ガラス厚がt=1 mmの場合で2点照射にすることで成立する条件も発見できている為,さらに成立条件を検証する必要があると考えられる 次に,これらの実験結果を考察するために,応力拡大係数解析を行った.割断に成功した条件である1点目の出力P1=21 W,2点目の出力P2=32 W,ガラスの厚さt=1 mm,熱源間距離20 mm,走査速度v=70 mm/sで解析を行い,応力拡大係数KIを求めた.KIがガラスの破壊靭性値KICを超えると,き裂が開口することができる為,KI/KICが1より大きい領域を図13に示した.図は横軸に2点目の熱源からの距離dc,縦軸にガラスの深さをとっており,KI/KICが1より大きい領域をガラスの深さ毎にプロットしている.解析の結果,ガラスの表面から底面までき裂は開口可能であり,ガラスはフルカットされると考えられる.しかし,実験では,フルカットではなく3点曲げにより割断している.これは,1点目の熱源によって表面に微細なき裂が発生し,2点目の照射による熱が,この微細なき裂によって拡散し,深いところまで伝わるのを阻害していると考えられる.その為,今後は表面の微細なき裂を抑えるため,熱源形状を楕円にして実験を行うなどの対策が必要である.また,レーザ走査中のき裂先端位置を,クロスニコル法等を用いて確認する必要がある. 3・4 楕円と円形の2点照射による実験 前述の実験では,1点目の加熱点でガラス表面に剥離が生じ,2点目の入熱が安定しなかったため,厚さt=0.5mmのガラスでは,80mm/sまでしか成功できなかった.そこで,剥離を抑制するため,急加熱とならないよう1点目の熱源形状を楕円とした場合の割断加工した場合について検証を行う.図4の光学系の最終段にシリンドリカルミラーを追加することで1点目を楕円となるよう光学系を変更した. 353025201510353025201510まず,ガラスカッターを利用して初期スクライブ線長さが10mm,20mmの場合で実験を行った.その結果を図14に示す.加工条件は,1点目の出力を20Wで固定し,2点目のレーザ出力を15, 20, 25, 30Wとして,走査速度毎の成功領域を調査した.2点目の出力が低い場合に成功領域はなかったが,出力を上げると徐々にスクライブ可能な領域がみられた. 次に,この反りの原因について考察するため,初期スクライブ線の長さを変えて実験を行った.加工条件は,レーザ出力がそれぞれP1=20W, P2=30W, 走査速度v=95mm/sである.その実験結果を図16に示す.初期スクライブ長さが0, 2.5mmの場合は,反りの開始位置はランダムであるが,5mm以降は,その終端部から発生していることがわかる.これは,1点目の楕円熱源前方の引張応力場によって反りが発生し,その後,本来の目的である熱源間の強い引張応力場で進展したためと考えられる. largest curvaturelarge curvaturesmall curvaturesmallest curvature4050607080Velocity (mm/s)加工成立領域 1015Length of initial scribing line (mm)2025303590100110120− 335 −

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