助成研究成果報告書Vol33
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表1 ガラスの物性値(20℃) 4)-6) 図4 実験装置概略図 図5 FEM解析モデル 図6 複数走査実験における応力yy分布 GlassImaging LensSliding Robot− 333 −CollimatorLaserHomogenizer LensCollimatorMirrorCO2LaserMirror730 [-] 0.219 熱伝導率 [W/mK] 線膨張係数 [K-1] 1.03 軟化点 [℃] 724 8.2×10-6 破壊靭性値 [MPam1/2] 0.76 CO2Laser(Rectangular heat source only)に発生する引張応力場と,2点目の加熱点前方の引張応力場を重複させ,比較的長い引張応力場を発生させることができることをFEM解析から発見した.これまでの先行研究より,割断には大きい引張応力を発生させることよりも,加工方向に長く安定した引張応力を発生させる方が有利だと考えられるため,レーザを2点照射することで,長い引張応力が発生し,割断に有利に働くのではないかと考えた. そこで,まず前述した解析条件で,2点照射の解析を行った.2点照射する場合,1点目の熱源はガラスにあまり影響を与えず,2点目でき裂を開口させるための余熱として利用したい為,1点目の出力を落とし,1点目と2点目の出力の比を1:2とし,熱源間隔をΔd=10, 20, 30, 35, 40, 45, 50 mmという条件で解析を行った.図7は,2点目の熱源からの距離dcと引張応力xxとの関係を深さ毎に表している.そして,それぞれ深さ毎に最大引張応力σxxと2点照射により発生した引張応力の幅との関係を図8に示す.解析の結果,どの深さにおいても,1点目と2点目の3・1 実験装置 これまでの実験装置は,熱源形状が円の場合しかプロファイルをフラットトップにすることが出来なかった.本研究では,熱源形状を矩形や楕円に変えた場合に,水平き裂や鉛直き裂にどのような影響を与えるかを検証する為,熱源形状が楕円でもフラットトップとなるよう光学系の再設計を行った.また,レーザの2点照射実験が行えるようにレーザをもう1台配置した.装置概略図を図4に示す.レーザ発振器から照射されたレーザは,4枚のミラーを介してコリメータに入射され,平行光となる.平行光とした後,ホモジナイザレンズによって,ホモジナイズし,マスクに照射して所望の形状とした後,再びコリメートレンズで平行光とし,結像レンズで集光するような光学系とした.これにより,楕円や矩形のような形状であってもフラットトップで実験が行えるようになり,2点照射での実験も行えるようにした. 3・2 円形2点照射による解析 先行研究において,レーザをガラスに同方向に3回走査させたところ,ガラスをドライ割断に成功した.しかし,全行程を走査させた後に,重畳して走査させなくても,熱源を小刻みに前進,後退させることで,部分的に3回走査と同じ状況をつくることでも,き裂が進展して割断に成功するのではないかと考えた.実験条件は,レーザ出力P=14.5 W,速度v=100 mm/sで,熱源が4 mm進んだあと,2 mm戻るよう単軸ロボットをプログラムして走査を行った.往復の戻り幅等を変えて実験を行ったが,加工できる条件は発見出来なかった.そこで,この実験条件でFEMによる3次元解析を行い,原因について検証を行った. xxを求めた後,(3)式を台形法による数値計算により求め解析モデルを図5に示す.解析モデルは対象問題とし,拘束条件は,底面の端部のみを固定したモデルで熱応力ることでKIを算出した.ガラスは76×26×t1.0 mmの白板ガラス(SCHOTT社B270)を用い,その物性値4)-6)を表1に示す.なお,ヤング率,比熱伝導率,線膨張係数,ガラスの破壊靭性値は温度依存性7)を考慮した.図6は,レーザ出力P=14.5 W,速度v=100 mm/sで熱源を4mm前進させて,2mm後退させながらレーザを走査させたときの応力分布である.図には,2 mm後退中の応力分布を示しており,レーザ熱源後方には圧縮応力が発生してしまう為,熱源の後退時の加熱による圧縮応力場が,次の前進時に働く引張応力を阻害していることが分かった.しかし,この解析から,レーザを2点照射することで,1点目の加熱後密度 [kg/m3] 2550 比熱 [J/kgK] ヤング率 [GPa] 71.5 ポワソン比

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