謝 辞 参考文献 示すように単結晶成長していることが分かった。しかし、通常のバルクと比較して、MgOのピークが高角度側にシフトしている。これは、シリコン基板上に成長したMgOの格子定数が縮んでいることを示している。 図8 二酸化炭素雰囲気で成長したMgO薄膜のXRDスペクトル三枝雰囲気と同様にピークの高角度下側へのシフトが確認できる。 MgOの面内配向性は、図6のように45度回転かcubic on cubic成長するが、シリコン格子に対して45度回転する報告が多い。しかし、今回の結果からは、MgOは回転しておらず、cubic on cubic成長していることも分かった。そこで、シリコン基板上でのMgOの安定性を評価するために、密度汎関数法を用いてシリコン基板上でのMgOの吸着エネルギーを見積もってみた。その結果を図7に示した。cubic on cubic成長の方が安定している結果となり、実験結果と一致することが分かった。 更に、二酸化炭素中でシリコン基板上へのMgO薄膜を成膜したところ、酸素雰囲気に比較して二酸化炭素中では広い範囲でMgOが多結晶として結晶成長するがことが分かった。一例として、二酸化炭素雰囲気160 mTorr、基板温度750度で30分の成膜を行なったMgO薄膜のXRDスペクトルを図8として示す。二酸化炭素中で成膜されたMgO薄膜のMgO(111)とMgO(002)のピークも、酸素雰囲気での成長と同様に高角度側にシフトしていることが確認できた。また、これら2つのピークから、MgOの格子定数は、4.15Åと見積もれる。 欠陥モデルでの密度汎関数計算では擬ポテンシャル法による評価により、MgO格子の収縮を報告している。酸素欠損でも、酸素過多であっても格子定数は伸長する。金属原子についても同様に格子定数は伸びることが分かっていて、Mgと酸素のペアで抜けていく時に格子は収縮することを報告している。現在は、PAW(projector augmented wave method)法による欠陥モデルでの格子定数の最適化を進めている。効率敵な計算手法により、より大きなsupercellでの計算が実用的な時間で可能になると期待される。 本研究は、公益財団法人天田財団の研究助成金(AF-2017219)により実施したことを付記して謝意を表します。本研究内容は、同じく天田財団の国際会議等参加助成を受け、オーストラリア・パースで開催された国際材料学会(Internatinal Union of Materials Research Societies - International Conference in Asia, IUMRS-ICA2019) でのシンポジウム運営と招待講演を行いました。また、理論計算では東北大学流体研究所の公募型共同研究事業(J19L016, J20I071)の助成を受けています。 1)M. Yoshimoto, K. Yoshida, H. Maruta, Y. Hishitani, H. Koinuma, S. Nishio, M. Kakihara, T. Tachibana : Nature, 340 (1999), 399. 2)M. H. S. Deville :Compt. Rend., 873 (1864), 59. 3)S. Kaneko, K. Akiyama, H. Funakubo, M. Yoshimoto : Phys. Rev. B, 054503 (2006), 74. 4)S. Kaneko, T. Nagano, K. Akiyama, T. Ito, M. Yasui, Y. Hirabayashi, H. Funakubo, M. Yoshimoto : J. Appl. Phys., 073523 (2010), 107. 5)S. Kaneko, H. Torii, M. Soga, K. Akiyama, M. Iwaya, M. Yoshimoto, T. Amazawa : Jpn. J. Appl. Phys., 01AC02 (2012), 51. 6)S. Kaneko and Y. Shimizu and S. Ohya : Jpn. J. Appl. Phys., 4870 (2001), 40. 7)S. Kaneko, T. Tokumasu, Y. Nakamaru, C. Kokubun, K. Konda, M. Yasui, M. Kurouchi, M. Can, S. Shawuti, R. Sudo, T. Endo, S. Yasuhara, A. Matsuda, M. Yoshimoto : J. Appl. Phys., SAAD06 (2019), 58. 8)S. Kaneko, T. Ito, C. Kato, S. Tanaka, S. Yasuhara, A. Matsuda, M. Yoshimoto : ACS Omega, 1523 (2017), 2 9)W.C.Yen,Y.Z.Chen,C.H.Yeh,J.H.He,P.W. Chiu, and Y. L. Chueh : Scientific Report 4739, (2014), 4. − 331 −
元のページ ../index.html#333