図5 X線回折評価。(a)面垂直方向、(b)面内のθ-2θ法のスペクトル。赤点線はバルク材のピークの位置を示す。 では平坦な膜表面がその他の基板上では平坦性が保たれていない。SrTiO3上ではRa~0.3 nm の表面粗さが、サファイア、MgO、Si基板のそれぞれでRaが、6, 4 , 4 nm を示した。特にSi基板上ではボール状に成長しているが、ボール状成長は玉ねぎ状に炭素が成長しているとの報告もある9)。 図6 MgO結晶の面内配向性。基板格子に対して45度回転する場合とcubic on cubic成長がある。 図7 シリコン基板上でのMgO結晶の安定性。シリコン基板上での吸着エネルギーを示す。 フラットな表面を示したSrTiO3基板上に成長した膜のラマンスペクトルを図3に示す。炭素原子の平面内運動に由来する 1580 cm-1 のGバンド、構造の乱れと欠陥に起因する 1300~1400程度に現れるDバンド (disorder band)、そして、G’(Gプライム)とも呼ばれる2二次の二フォノン散乱によるピークが確認された。測定には励起光源として750nmを用いたため、高波数側での検出器の感度を補正している。米国のNational Institute of Science and Technology (NIST)から提供されている標準試料(Standard Reference Materials (SRM) 2241)用いて補正は行われた8)。 平坦な表面を持つ膜が成長するSrTiO3上での成膜では、ステップ基板を用いた場合、60秒でまた表面が平坦になることがAFMにより観察され、1層づつ成長(laer by layer成長)が確認された。2Dフーリエ変換を用いた60秒成膜後の表面のAFM像からはグラフェンの六員環が確認できる(図4)。 各種基板上での炭素材料の安定性をDMol3によって検討した。1個の六員環で検討を始めたが、周期境界で六員環が安定せず、大きな周期条件が必要になることが分かった。現在、周期条件と六員環モデルの大きさ、終端などについての検討を行っている。 3・2 酸化マグネシウム(MgO)膜 グラフェンやシリコンカーバイドなどの基板上での成長をシミュレーションで評価することを東北大学流体研究所と検討している。まずはじめにシンプルな系として、面心立法格子をもつ酸化マグネシウム(MgO)のシリコン基板上での安定性について評価した。 酸素雰囲気でシリコン基板上に成長したMgOはX線回折θ-2θ法による基板垂直方向と面内評価により、図5に− 330 −(a) surface normal (b) out of plane
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