助成研究成果報告書Vol33
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− 30 −塑性加工塑性加工キーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]名古屋工業大学 大学院工学研究科 物理工学専攻 准教授[応用分野]大阪産業技術研究所 加工成形研究部 主任研究員AF-2017035一般研究開発助成AF-2017036一般研究開発助成塑性加工,複合材料,材料設計3Dプリンタ,巨大ひずみ加工,複相材料sato.hisashi@nitech.ac.jp塑性加工用金型焼結ダイヤモンド,放電加工,摩擦特性YanagidaD@tri-osaka.jp佐藤 尚柳田 大祐3次元組織解析技術を応用した 巨大ひずみ加工複相材料における組織および力学的性質制御の指導原理創出焼結ダイヤモンド表面への放電テクスチャリング技術の開発と塑性加工金型への適用 複相材料に巨大ひずみ加工を施すと,材料内部の硬質粒子が破壊し,その寸法および空間分布が変化する.しかし,巨大ひずみ加工を施した複相試料の寸法が小さく,その力学的性質の評価が困難であることが多い.本研究では,シリアルセクショニングによる組織3次元可視化技術と3Dプリンタによるモデル材料作製技術を組合わせ,巨大ひずみ加工Al-Al3Ti複相材料のヤング率の評価を試みた.作製した複相材料のモデル材料は,母相がABSおよびAl3Ti粒子がPLAで出来ている.モデル材料への圧縮試験の結果,巨大ひずみ加工Al-Al3Ti複相材料のモデル材料のヤング率は複合則に従うことが分かった.一方,実際の複相材料のヤング率は,材料内部の空孔に起因してモデル材料のヤング率よりも低い.しかし,モデル材料の造形に用いる3次元構築像に空孔分布を含めることで,巨大ひずみ加工複相材料のヤング率を評価可能であることが分かった.携帯用機器等に用いられる電池容器は,プレス成形による深絞り加工で製作されているが,機器の小型・軽量化が一層求められている中,素材としては,比強度が高く,耐食性に優れるチタン材の採用が望まれている.チタン材は焼き付き易い性質を持つことから,深絞り加工は極めて難しく,その金型には,優れた摩擦摩耗特性と高い耐久性が求められている.筆者らは,これまでに焼結ダイヤモンド(PCD)の高精度放電加工について検討する中で,PCD表面に微小な穴を比較的容易に形成できることを見出した.この微小穴を潤滑油の油だまりとして用いれば,PCD表面の摩擦特性をさらに向上することが期待できる.本研究では潤滑油の保持性の高いPCD表面の形成を目的として,放電加工で形成されたPCD面の摩擦特性について調べ,チタン材の塑性加工用金型への適用の可能性について検討した.

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