図4 ラマンスペクトルの中心波数及び半値幅の基板た結晶化の閾値の400℃で純粋な結晶性ハイドロキシアパタイトへ加水分解できるアニーリング温度はPLD法において直接加熱して結晶化する方法で最も低い温度であった3)。これは小径粒子で成膜することで高純度、高結晶性、緻密な結晶ができることが実証された。 図5 基板温度に対する成膜物質の密着性の評価 3・3 成膜物質の密着性評価 生体内で骨固着した生体材料は骨伝導物質である成膜物質を中間層として骨固着する。生体骨、金属などの生体材料に比べ機械強度に劣るハイドロキシアパタイトは強い力が生じた場合、膜内部での破壊もしくは生体材料との界面との剥離で骨固着が失われる。そのため成膜は1μm程度の薄い膜にすることで高い骨固着力が得られる5)。膜厚同様にハイドロキシアパタイト層と基板材料の密着力は骨固着の最大値を決める大きな項目となる。図5で作成した成膜の密着性の基板温度依存性をスクラッチ試験機で評価した。図5にスクラッチ試験で評価した典型的な結果を示す。 本測定では15μmのスタイラスを用いて全て評価した。示される密着力が評価できた。臨界荷重値が右に行くほどスタイラスへの力が強く、ここでの剥離は密着性が高いことを示す。380℃においては密着性が高くなると同時に成膜が付随して硬質化せず研削が生じ剥離が生じない塑性流動の状態で密着性は評価できなかった。この様に得られた基板温度に対する密着強度依存性を図6に示す。図の様に基板温度の上昇とともに密着性は上昇し室温から250℃近傍まで上昇した。一方、400℃以上600℃でも単調に密着性が上昇することが確かめられた。250℃から400℃の間は測定不能領域であった。しかし、密着性は基板温度上昇につれて高くなることから密着強度は点線の様になると予想される。 温度依存性 図6 薄膜の密着力の基板温度依存性 165℃、500℃の基板温度では図の様に写真における剥離からも、スタイラスの検知した摩擦力からも臨界荷重力で− 307 −
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