図3.(a)成膜・回収システムと 図4.膜の熱伝導率測定装置の概観. 図5.膜の熱膨張測定装置の概観. (a) (b)遠心分離後の様子.(b) タタブブレレッットト11 タタブブレレッットト22 図6.天然鉱石微粒子膜. 装置内部写真 3.実験結果及び検討 3・1 膜形成とAFM像 2.4 膜の熱伝導率測定装置 バルクの熱伝導率を測定するときは熱電対やサーミスターなどの温度センサーが使用可能であるが,薄膜用の場合には不適切である.薄膜の熱伝導率測定法としてレーザーフラッシュ法があるが,熱拡散率の他に密度,比熱のデータが必要とされる.膜の形成条件で密度,比熱も変化することがあるので,不確定要素が介在してしまうことになる.そこで,図5に示すように,温度センサーを遠隔で非接触測定できる小型サーマルセンサーとタブレットを連動させて測定する手法を今回試みた.加熱は伝導性接着剤を試料に付着し,通電して行った.また,断熱のため試料と試料台の間に断熱材を敷き,測定の際は容器内を事前に排気し,また放射熱の影響を極力低減させるため黒紙で内部を覆った. 2.5 膜表面及び内部測定 形成膜のマイクロ・ナノレベルでの表面状態の情報を得るため原子間力顕微鏡(AFM)で観察した.また,表面層の様子を明らかにするため,放射光(XANES)測定とX線光電子分光(XPS)測定を実施した. 既述のように膜は,レーザー援用微粒子ジェット付着加工技術で成膜した.この技術で,最大幅約18.5[mm]の膜を形成可能なことが確認された.また,金属,樹脂及びセラミックス基板上にもしっかりと形成されることが確認された.樹脂として,POMを選び,その基板に成膜可能なことが確認されているが,吸着膜用7)に天然鉱石微粒子を成膜した例を図6に示す.矩形状に一様な膜が出来ているのが分る.この膜幅は約8.6[mm]で長さ約4.4[mm]ある. ラフェンのような高価な微粒子はもちろん,資源を有効利用するため回収・再利用できるシステムとして開発した.2.1で記載した振り子運動させるためのステッピングモーターとそれに設置したノズルと基板保持台及び未付着微粒子落下誘導円筒(下を円錐状に加工)と飛散防止円筒,回収機構から構成されている. 図3(a)の示すようにレーザー光線が入射可能にするため透明なアクリル容器を使った.微粒子回収については成膜前に予め回収容器を真空引きしておき,成膜終了後に,成膜容器側のバルブのみを開き未付着微粒子を回収した. また,複数の微粒子による混合微粒子の未付着微粒子は遠心分離機で分離を試みた.その様子を図3(b)に示す. 2.3 膜の熱膨張率測定装置 不透明膜の膜厚測定として, 楔形空気層とレーザー光源を利用する方法が良く知られている.この方法を用いて共焦点走査型レーザー顕微鏡を使い熱膨張測定した報告がある8). 今回,低価なマイクロスコープを活用する手法を試みた.図4に今回開発した装置概観を示す. 熱膨張率の測定は室温から200[℃]の範囲で実施した.また,試料を含む周辺部材の酸化を防ぎ熱膨張測定への影響を低減させるため透明アクリル容器を真空ポンプで真空引きして測定した.温度制御はシリコーンラバーヒーターと熱電対により温度コントローラーで行った.測定感度を上げるため可視光で波長の長いHe-Neレーザー(632.8 [nm])を使用した.透明ガラスは熱膨張率の小さく(使用材料の中で小さいダイヤモンドの1/10程度),平坦性の優れた石英ガラスを使用した. − 279 −
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