助成研究成果報告書Vol33
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4. 微細孔を有する電解銅箔の有効性 4.1 LICの放電容量とドープ速度 を使用しない場合には,レーザー出力を1 Wに設定して加工を行った.また孔間隔は,DOEを使用する場合としない場合ともに24μmで同一となるように照射プログラムを作成した.なお,表1に示す加工時間は,縦横5 mmの正方形領域の加工にかかる時間である. 図4と図5に示す画像から,DOEの有無による貫通孔の品質の差異はほとんどなく,ともに問題となるようなデブリの付着もないことがわかる.表1に示すようにDOEを使用した場合の孔径が,DOEを使用しない場合に比べて若干小さくなっており,それが2 % ほどの開口率の低下につながっている.孔径が若干縮小した原因としては,DOEでのエネルギー吸収が考えられる.本研究で使用したDOEの透過率は約95 % であるので,5 % のエネルギーがDOEを通過する際に失われる.加工時間を比べてみると,DOEを使用することにより,DOEを使用しない場合に比べておよそ4分の1に短縮されている.この結果から,大面積加工においては,DOEの使用が効果的であると言える. 3.2 アルミ箔の加工 厚さ20μmのアルミ箔に対して貫通孔加工を実施した.電解銅箔の加工と同様にDOEを使用した場合の顕微鏡写真を図6に,使用しない場合の顕微鏡写真を図7に示す.また孔径等の測定結果を表2に示す.加工に関する実験条件は電解銅箔の場合と同一であるが,試料の厚みの分だけ試料ステージ位置を調節している. 図6と図7に示す画像において貫通孔の状態を比較してみると,DOEを使用した場合では,入射面において孔の周りが若干盛り上がり,少し荒れていることがわかる.しかしながら出射面においては,貫通孔はきれいに形成されており,リチウムイオンが通過するのに十分な品質で加工されていることが確認できる.表2に示すように,孔径はDOEを使用した場合とそうでない場合とを比べると,DOEを使用した場合に幾分小さくなるという電解銅箔の場合と同様の傾向が見られた.またそれに伴い開口率も若干低下している. 図6 DOEを用いた同時一括孔あけ加工 (a) 入射面 (b) 出射面 図7 DOEを用いない通常孔あけ加工 (a) 入射面 (b) 出射面 LICは積層型の電極を有し,リチウム金属からリチウムイオンが各層へドープされることにより充放電を行う.このドープ時間は速い方が好ましく,電極集電箔に形成される貫通孔の状態に強く影響される.ここではリチウムイオンをドープさせ,ドープ速度の変化および各層における放電容量の測定を行った.電極には孔あき集電体の両面にグラファイトを塗布したものを用い,図8に示すように,それをセパレータで挟み込みながら蛇腹のように折り込んで積層構造を模した. 図9は電解銅箔に形成した貫通孔径とリチウムイオンドープ層数の関係を表している.横軸は電解銅箔に形成した孔径(5μm,10μm,20μm,50μm)を表しており,縦軸はリチウムイオンがドープされた層数を表している.この場 図9 貫通孔径とリチウムイオンドープ層数の関係 表2 アルミ箔に形成した微細孔 図8 リチウムイオンのドープ方法 反応ドープ時間:60時間 through hole diameter [μm]distance amongneighboring spots [μm]open area ratio [%]machining time [s]without DOE6.4246.4127with DOE6.0244.931− 271 −

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