助成研究成果報告書Vol33
272/466

3.実験結果と考察 3.1 電解銅箔の加工 BBeeaamm EExxppaannddeerr LLaasseerr MMiirrrroorr DDOOEE GGaallvvaannoo SSttaaggee ffθθ LLeennss through hole diameter [μm]distance amongneighboring spots [μm]open area ratio [%]machining time [s]図2 レーザー加工システムの概略 同時一括孔あけ加工を行う際は,図に示す実験装置において,ガルバノスキャナシステムの直前にDOEを配置した.試料表面をレーザー光に対して水平に保つため,厚さ5 mmのシリコーンシートに試料を貼り付けた状態でステージに固定した.試料には,厚さ12μmの電解銅箔と厚さ20μmのアルミ箔を使用した. 2.2 回折光学素子(DOE)の設計 DOEで分岐するレーザー光の本数が多ければ多いほど同時に加工できる点が多くなり,加工時間の短縮につながる.しかしながら,分岐数の増加とともに分岐されたレーザー光1本当たりの出力は低下する.これまでの研究において,電極集電箔の加工には1 Wのレーザー出力があれば良いことがわかっている.本研究で使用するレーザーの最大出力が9 Wということを考慮すると,使用するDOEの最適な分岐数は9分岐ということになる.以上のことを踏まえて,本研究では9分岐のDOEを設計した.DOEを通ったレーザー光は,図3に示すように直線状一列に9分岐される.焦点位置での分岐間隔は24μmに設定した.この間隔は,電極集電箔の単位面積当たりの開口部の割合(開口率)が4~10 % 程度になるように考慮し選定した値である. 図3 分岐数9の回折光学素子 2.3 貫通孔の形成方法 レーザーによる貫通孔の形成には,同一箇所に複数回のレーザー照射を行うことで孔をあけるパーカッションドリリングと,円周に沿ってレーザービームを走査することで円形に切り落とすトレパニングドリリングの2種類の加工方法がある.ここではパーカッションドリリング法により,電解銅箔とアルミ箔に貫通孔を形成した.このパーカッションドリリング法は微小貫通孔の形成に向いている加工方法であり,トレパニングドリリング法に比べて,加工処理時間が短い. レーザー光の走査はガルバノスキャナにより行い,一つの貫通孔を形成するためのレーザーショット数は全ての場合で100 shotsとした.孔と孔の間隔はDOEの設計値24μmに固定される.この場合,電極集電箔の開口率は孔径に依存して4~10 % 程度の値となる.1回のレーザー照射での加工範囲は縦横5 mmの正方形領域とし,照射→試料ステージ移動,照射→試料ステージ移動を繰り返して,縦横40 mm×80 mmの領域を加工した. 厚さ12μmの電解銅箔に対して貫通孔加工を施した.比較のためDOEを使用した場合の顕微鏡写真を図4に,使用しない場合の顕微鏡写真を図5に示す.また孔径等の測定結果を表1に示す. DOEを使用した場合には,レーザー光が9本に分岐されることを考慮して,レーザー出力を9 Wに設定した.DOE (a) 入射面 (b) 出射面 図4 DOEを用いた同時一括孔あけ加工 (a) 入射面 (b) 出射面 図5 DOEを用いない通常孔あけ加工 表1 電解銅箔に形成した微細孔 without DOE6.9247.4127with DOE6.3245.431− 270 −

元のページ  ../index.html#272

このブックを見る