助成研究成果報告書Vol33
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コイル キーワード:レーザ加工,磁気浮上,アクチュエータ,多自由度 軸NSSNNSSNNSSNNSSN1.研究の目的と背景 (平成29年度 一般研究開発助成 AF-2017206) 図1 磁気浮上アクチュエータの原理図 変位センサレンズ電磁軟鉄コイルコイル永久磁石リング三段構造永久磁石レーザ切断加工は,集光したレーザ光を局部的に材料に直接照射して溶融させ,さらに高圧のアシストガスを加工面に吹き付けることで,溶融材料の除去を行う加工法である.レーザ切断加工は非接触の加工方法のため,複雑な形状を有する板材の切断や,セラミック等の難削材の加工によく適用されている1,2). 従来は,レーザビームの光軸をレーザヘッドのノズル開口の中心に設定することで,加工方向による加工品質の差が出ないように設定していた.厚板切断において,切断面へ十分にアシストガスが供給されないため,溶融材料の除去効果が低下し,加工速度と精度が低下している3). これらの問題点を解決するため,アシストガス用ノズル中心軸に対し,レーザビームの光軸を加工方向に偏心させる方法が提案されていた4).これは,レーザ照射により発生した溶融物の流れをアシストガスにより制御できるためである.一方で,アシストガス用ノズル中心軸に対し,レーザ光軸を加工方向に偏心させる方法が提案されている5).提案アクチュエータはレーザ加工用集光レンズを2自由度方向のみに制御できるが,5自由度方向の制御が実現されていない. 一方で,磁気浮上は非接触であるため摩擦や磨耗が無く,また高速・高精度かつ多自由度位置決めや姿勢制御が可能となる.このため,本研究では,磁気浮上の5自由度精密位置決め機能を着目し,レーザ加工用集光レンズの長ストロークかつ高精度位置決めが可能な,5自由度制御型磁気浮上アクチュエータを開発し,それをレーザ加工への応用を試みる. 2.提案磁気浮上アクチュエータ 2・1 アクチュエータの構成と駆動原理 磁気浮上において,コイルの発生する磁束を集中できる鉄心ありの電磁石は良く使われているが,その電磁力は,エアギャップの2乗に反比例し,かつコイル電流の2乗に比例する,強い非線形性を有するため,制御が困難である.また,長ストロークを実現するため,大きな変動範囲の駆動電流が必要となり,コイルの銅損による電磁石の発熱が問題となる. 一方で,空心コイルには磁気漏れが多いが,発生する電磁力がコイルに流れている電流と比例するため制御しや日本工業大学 機械工学科 教授 張 暁友 変位センサ アクチュエータすくなる.そのため,本研究では,空心コイルを用いた案内方法を採用する. 図1に提案する5自由度制御型磁気浮上アクチュエータの原理図を示す.軸に取り付ける永久磁石の上下に,2個で1セットとする8個ずつのコイルが配置される.永久磁石は電磁軟鉄を挟んだ三段構造となっている.上下は極性の異なるリング状の磁石であり,中央はリング状の電磁軟鉄である.この構造により磁束を集中することが可能となる. 図2にアクチュエータの駆動原理を示す.図2(a)のように,右側のコイルと磁石間に吸引力を発生させ,左側には反発力を発生させることによって軸をX軸の正の方向に運動させることができる.一方で,右側のコイルと磁石間に反発力を発生させ,左側には吸引力を発生させ,軸をX軸の負の方向に運動させることができる.Y軸方向の運動制御も同様である. 図2(b)のように上下のコイルと電磁石の間に発生した電磁力の方向が逆になる場合,Y軸周りの回転運動を制御できる.X軸周りの回転運動も同様である.また,図2(c)のように上側のコイルと磁石間の吸引力を,下側には反発力を発生させることによってスピンドルのZ方向の運動を制御できる. 2・2 アクチュエータの設計と試作 アクチュエータの性能目標値は,5自由度方向に50Hz以上の応答周波数,並進方向に1mの位置決め分解能と4mmのストローク,回転方向に25radの位置決め分解 − 264 −高速・高精度レーザ加工の研究 多自由度磁気浮上アクチュエータ及びそれによる

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