助成研究成果報告書Vol33
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ZX キーワード:焼結ダイヤモンド,放電加工,摩擦特性 図1 放電加工によるPCD表面への微小穴形成 図2 実験装置概略図 表1 放電加工条件 実験装置 最大放電電流 無負荷電圧 放電持続時間 加工液 加工時間 工作物 電極材料 0.3 mm×7.5 mmPCD16 mm×5 mm20μm型彫り放電加工機 AP-1L(ソディック製) ie:1.5 A ui:120 V te:1 μs 放電加工油 0.017,0.044,0.128(min/mm2) PCD (ダイヤモンド粒子径:25 μm) 亜鉛合金 20μm 1.研究の目的と背景 PCD表面に微小穴を均一に形成するために,薄板状の電極をZ軸方向にサーボ制御し, X軸方向に一定速度(96 mm/min)で送りながら放電加工を行った(図2).放電加工条件を表1に示す.また,得られたPCD加工面の摩擦特性は,リングオンディスク式摩擦試験によ携帯用機器等に用いられる電池容器は,プレス成形による深絞り加工で製作されているが,機器の小型・軽量化が一層求められている中,素材としては,比強度が高く,耐食性に優れるチタン材の採用が望まれている.しかしながらチタンは,摺動部材に用いた場合,焼付き易い性質を持つことから,深絞り加工は極めて難しく,その金型には,優れた摩擦摩耗特性と高い耐久性が求められている.近年,精密微細部品を成形する長寿命金型に焼結ダイヤモンド(PCD)を適用する検討がなされている1)2).PCDは優れた摩擦摩耗特性を有することから,チタン材の深絞り加工用金型に適用した場合,耐焼き付き性の向上とこれによる金型の長寿命化が期待される. 一方,筆者らは,これまでにPCDの高精度放電加工3)について検討する中で,図1に示すように,ダイヤモンド粒子間に存在する焼結助剤(コバルト)のみを選択的に除去することで,PCD表面に微小な穴を比較的容易に形成できることを見出した.この微小穴を潤滑油の油だまりとして用いれば,PCD表面の摩擦特性をさらに向上することができると考えられる. 本研究では潤滑油の保持性の高いPCD表面の形成を目的として,放電加工で形成されたPCD面の摩擦特性について調べ,チタン材の塑性加工用金型への適用の可能性について検討した. 2.実験方法 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 加工成形研究部 主任研究員 柳田 大祐 加工成形研究部 主任研究員 渡邊 幸司 金属材料研究部 部長 南 久 (平成29年度 一般研究開発助成 AF-2017036) 工具電極ダイヤモンド粒子結合材型彫り放電加工機電極放電加工サーボ方向電極送り工具電極選択的に凹部が形成微小穴方向− 248 −焼結ダイヤモンド表面への放電テクスチャリング技術の開発と 塑性加工金型への適用

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