助成研究成果報告書Vol33
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■m■■■p■■■m■■p■■■■■■■p■/■■■■m (2) ■m■■■p■■■m■■p■/■3・3節より,Al-Al3Ti複相材料のヤング率は推算値に比べて低かったが,モデル材料のヤング率は複合則による推図10 ドーナツ状第2相を持つ複相材料の(a) 3D-CAD図面および(b)3Dプリンタ造形物の断面写真. ここで,Em,EpおよびVpは,それぞれ母相のヤング率,粒子のヤング率および粒子体積分率である.本研究で用いたAl-Al3Ti複相材料におけるAl3Ti粒子の体積分率は11vol%であった.そこで,Vp = 0.11とし,かつ表3に示すPLAおよびABSのヤング率からEp = 1.43 GPaおよびEm = 0.90 GPaとして,式(2)よりモデル材料のヤング率を推算した.その結果,モデル材料のヤング率の推算値は,0.95 GPaであった.この推算値は,モデル材料の圧縮試験から測定したヤング率である1.07 GPaに近い.よって,3Dプリンタにて作製したAl-Al3Ti複相材料のモデル材料のヤング率は,式(2)に従っていることが分かる. 本研究にて作製したAl-Al3Ti複相材料の3次元構築像には,空孔などの情報が反映されていない.しかし,上述の結果から分かるように,複相材料内部に存在する空孔は,ヤング率など複相材料の力学的性質に大きく影響を及ぼす.それゆえ,複相材料のモデル材料を用いた実験を行う場合には,空孔の情報も含めた3次元構築像が必要であることが分かった. 3・4 3Dプリンタを用いた複相材料の力学的性質評価の可能性 算値と一致していた.そのため,もし,モデル材料の作製に用いた3次元構築像に空孔の情報も含めることができれば,Al-Al3Ti複相材料の力学的性質を推測できるモデル材料として利用することができるであろう. 過去の研究において,ドーナツ状介在物の存在による材料中の応力状態の変化を,マイクロメカニックスに基づいて理論計算された7).その結果,ドーナツ状介在物は,棒状介在物をランダムに分散させた場合と同じ役割をなすことが明らかにされている.しかしながら,金属材料の熱処理などによってドーナツ状の第2相を持つ複相材料を作製することは困難であり,このような複相材料の実験的評価はなされていない.しかし,本研究で用いたような3Dプリンタを用いることで,これまで作製困難であった材料を作製することができ(図10),かつ力学的性質の実験的評価も可能となる. よって,3Dプリンタを用いた複相材料の力学的評価の技術は,これまで評価が困難であった複相材料の力学的性質を明らかにするうえで有効であるといえる. 本研究では,シリアルセクショニングによる組織3次元可視化技術と3Dプリンタによるモデル材料作製技術を組合わせることで,これまで困難であった巨大ひずみ加工Al-Al3Ti複相材料の力学的性質の評価を試みた.その際,質粒子を持つ粒子分散型複合材料のヤング率が次式にて提案されている5). さらに,本研究では,純AlおよびAl3Tiのヤング率を用いて,式(2)よりECAP加工を施したAl-Al3Ti複相材料のヤング率も推算してみた.過去の研究において,純AlおよびAl3Tiのヤング率は,それぞれ70.0 GPa および215.7 GPa と報告されている6).これらのヤング率および粒子体積分率 Vp = 0.11を用いてECAP加工を施したAl-Al3Ti複相材料のヤング率を式(2)より推算した.その結果,ECAP加工を施したAl-Al3Ti複相材料におけるヤング率の推算値は82.8 GPaであった.しかしながら,前節にて述べたように,ECAP加工を施したAl-Al3Ti複相材料におけるヤング率の測定値は70 GPaであった.この測定値は,推算値に比べて小さい.さらに,このAl-Al3Ti複相材料のヤング率の測定値は,過去の研究で報告されている純Alのヤング率と同等であった.これは,ECAP加工を施したAl-Al3Ti複相材料内部に,加工中に生じた空孔などが存在していたためであると考えられる.その結果,加工を施したAl-Al3Ti複相材料のヤング率は,推算値に比べて小さくなったといえる. 4.まとめ − 246 −■■■

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