助成研究成果報告書Vol33
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g / t0 = 1.0, α = 0, β =-30, γ =0 ) g / t0 = 1.0, α = 0, β =+30, γ =0 ) 図8 工具パス方向応力の板厚方向分布の変化 ( t0 = 0.3 mm, rp = 1.0 mm, pz / t0 = 0.500 ) 図9工具パス方向応力によるモーメント (t0 = 0.3 mm, rp = 1.0 mm, pz / t0 = 0.125 - 0.500 ) 以上の過程に加えて,材料は工具下を通過する際に,上に凸に曲げ,下に凸に曲げ,平坦と曲げ曲げ戻しを受けている.工具の通過により素材表面側には引張り応力が裏面には圧縮応力が生成し,残留する. 図9は,図8の応力分布から得られるモーメントの変化を工具移動(時間)に対して示したもので,最終的(φ=8°)に凹に曲がろうとする(スプリングゴー)モーメントが残留している.■3・4 ダブルサイド・インクリメンタル成形(1) 図10と11は,β = -30°およびβ = 30°の場合の結果である.それぞれ,マスター工具,およびスレーブ工具が先進する場合である.前述のシングルポイント成形に比較して,応力が非常に大きいとともに,分布の反転回数も多い.β = -30°とβ = 30°の履歴は異なるが,両表層が圧縮で板厚中央部が引張りの分布が残留する. 図12は,β =-45°~45°と変更した場合の残留応力を示していが,β の変更によりその分布は様々に変化する. 一方,図13は,図12から得られる残留モーメントを示しているが,β =-30°およびβ =20°あたりでモーメントが最小化する.ただし,前者の場合にはスレーブ工具が後進するために成形形状を定めにくく,後者のスレーブ工具 図10 工具パス方向応力の板厚方向分布の変化 ( t0 = 0.3 mm, rpm = rps = 1.0 mm, ⊿zc / t0 = -0.500, 図11 工具パス方向応力の板厚方向分布の変化 ( t0 = 0.3 mm, rpm = rps = 1.0 mm, ⊿zc / t0 = 0.500, − 230 −3・2 工具配置 2つの工具(先端)配置の定義を図6に示す.その配置は,工具系の代表点,ここでは工具間中点Cの座標xcとその姿勢を定義する(α, β, γ ),および工具間間隙gにより決定される.(α, β, γ )の定義の詳細は,Euler角(θ, φ, γ )4)に準じる. 図7は,各回転角の役割の詳細を示している. e3がおおよそ素板面法線方向となるために,α は主に成形形状に依存するが,同図(a)のようにクリアランス部を支えてダレ変形を抑制することもできる. β は,図図(b)のように工具進行方向に対してスレーブ工具の先進度を定義する.これにより,材料には工具進行方向に曲げ・曲げ戻しの変形を付与される.γ は,工具の子午線方向の振り角(片揺れ)を与える. 3・3 シングルポイント・インクリメンタル成形 図8は,シングルポイント成形の場合の工具パス方向の応力σφの,φ=0, r=20での板厚方向の分布の時間変化を示している.工具直前では材料は強い圧縮をうけ圧縮塑性ひずみが生じる.このとき材料は工具形状にフィットして凹形状になっている.その後,材料が工具下面を通過すると直線状に戻され,その結果引張り応力が表面に残留する.

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