(b) 積層順序による賦形シミュレーション結果の比較 図8に賦形シミュレーションによる解析の概要を示した.個々のテープ基材の特性やテープ基材間の摩擦係数は2章の基礎物性試験で得た値を用いている.引抜き解析と同様にシェルエッジの接触条件を考慮している.また解析図8(b)に賦形試験後の目ずれの様子と賦形シミュレーションによる予測結果の比較を示した.⑥のテープが最も 図10 AP-PLY積層の自由度を活用した目ずれの解消例 図8 賦形シミュレーションによる目ずれの予測 mod特に傾斜角度による影響が大きいことが分かった.このように,賦形シミュレーションを用いて目ずれの様子を模擬しながら,目ずれ低減のための形状修正を検討できる. 3・4 基材設計の自由度を活用した賦形性の改善 最後に,AP-PLYプリフォームの特徴でもある基材の積層設計の自由度により基材特性を変化させた場合について検討した.例として,図10(a)に示すような緯方向テープ基材の積層順序を変化させることで,意図的に賦形時の 上層 中層 下層 では,賦形プロセスの解析の前にプレスプロセスを行い,節点座標を引き継ぐことで,実際のAP-PLY積層プリフォームに近い状態から賦形プロセスを解析した.賦形型の上昇速度は賦形試験の約30倍としている. 大きく変位し,その周辺の⑤や⑦のテープの目ずれが大きい様子がシミュレーションにおいても再現された.すなわち,本研究で提案したメゾスケールモデルによる賦形シミュレーションの有効性が確認された.予備解析により,摩擦係数を大きく変化させると目ずれの様子が変わることを確認しており,2章の基礎物性試験で得た摩擦係数についても,正確な値の決定は難しいものの,一定の信頼性があるものと考える. 次に,賦形形状の設計によって,賦形時の繊維配向変化や目ずれ発生を実際に抑えることが可能であるかを検証するため,3.1節において設計した2つの異なる曲面形状を持つ賦形型に対して賦形実験と賦形シミュレーションを実施した.その結果を図9において比較した.実験結果と比べて,曲面上方のテープの変位が小さい結果となった(型モデルAでは5番のテープ,型モデルBでは4番のテープ)が,これは実験ではx方向に変位する経方向テープの表面繊維に引っかかって緯方向テープがx方向に変位することで見かけ上摩擦が大きくなっていたためである.型モデルBの方がより大きな変位が全体的にみられ, (a) 賦形シミュレーション (b) 実験結果とシミュレーション結果の比較 (a) 型モデルA 図9 賦形シミュレーションによる目ずれの予測 (c) 賦形シミュレーションによる目ずれの予測 (b) 型モデルB (a) AP-PLY積層における積層順序 − 222 −
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