助成研究成果報告書Vol33
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変位計測点として,図7(ii)に示すように,AP-PLY積層した試験片の表面に反射マーカーを貼付した.賦形試験中, 図6(続き) 賦形形状の設計 図6の賦形形状を表現するため,NURBS曲面と呼ばれる幾何学形状のモデル化技術を用いた.NURBS曲面は滑らかな3次元幾何学形状を実現するCAD技術であり,構造部材の意匠面設計に用いられている.特に,NURBS曲面を用いることで,CADモデリング時の曲率不連続の発生を解消することができる.曲率が変化する接続箇所で目ずれが発生しやすいことが示されており9),このことは賦形性にとっても重要な観点である.また,NURBS曲面の制御点の位置や重みを修正することで,比較的単純な方法図7 賦形試験 図6(b)に2種類の賦形型に用いた曲面形状を示す.2種類の形状は,型中央の一列の制御点の高さのみを変えるこ2.2節で述べたAP-PLY積層プリフォームのメゾスケールモデルを用いて賦形プロセスの有限要素シミュレーシで賦形性改善のための形状設計が可能である.設計ソフトにAutoCAD 2020を用いた. とで作成している.また図には,それぞれの曲面の曲率と傾斜角度を示した.曲率については曲面Aの下部や曲面Bの上部で大きく,傾斜角度は曲面Bでは全体的に傾斜角度が大きい形状である. 3・2 賦形試験 型を加熱しながら空気圧で押し上げることにより,賦形型のx方向に曲面に沿わせるようにした(上昇量:40 mm,上昇に要する時間:3秒程度). また,賦形試験中の個々のテープ基材の変位を三次元計測により測定した.ここでは撮影した画像の幾何情報に基づいて三次元変位を取得する多眼ステレオ法を利用した.画像計測機材には三台のカメラを利用したモーションキャプチャシステム(OptiTrack, アキュイティー)を用いた. (b) 曲率と傾斜角度の異なる形状の設計 3.1節でCADにより作成した形状を用いた賦形型を製作し,AP-PLY積層プリフォームを用いた賦形試験を実施した.図7に賦形試験の概要を示す.賦形試験には空圧式ホットプレス(HE-204SP, MSAファクトリー)を用いた.図7(i)に示すように,AP-PLY積層プリフォームをホットプレスの左右に把持した状態で,プレス中央に置いた賦形(金型の断面図) (左上:金型形状,右上:賦形試験の模式図 左下:プレス機の外観,右下:三次元計測の様子) (左:全体写真,中央・右:試験前の画像) このマーカーを追跡することで変位計測が可能である.変位計測の精度を左右するカメラのキャリブレーションは専用治具(キャリブレーションワンドとスクエア)と専用ソフト(Motive 2.1.2)により実施した.予備実験により,変位計測の誤差はどの方向にも1~2 mm程度であることを確認した. また賦形試験時の温度を赤外線サーモグラフィ(IRS-640, Automation Technology)で測定した.ホットプレートの設定温度を473 Kとすると,おおむね330~410 K程度の温度を示し,実験開始時に賦形型と接していない計測点においても330 K以上の温度(PA6のガラス転移点以上の温度)であった.この温度条件で賦形試験を実施した. 3・3 賦形シミュレーション ョンを実施した.これにより,個々のテープ基材の変位による繊維配向(テープ方向)の変化,および,それに伴う目ずれの発生を解析した. (i) 賦形試験の概要 (ii) 賦形試験に用いた試験片 − 221 −

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