図2 AP-PLY積層 図1に,実験に用いた材料を示す.用いた材料は薄層CF/PA6プリプレグ(CF: TR50S,PA6: DIAMIRON C(三菱ケミカル))であり(図1(a)),福井県工業技術センターが保有する特許技術である開繊技術を用いて製作された薄層化プリプレグである.材料の諸元は表1に示したとおりである.このプリプレグをスリット加工することにより幅10 mmのテープ基材をAP-PLY積層プリフォーム用の材料として用いた(図1(b)).図1(c)にプリプレグの断面画像を示す.PA6フィルムを両側から開繊炭素繊維基材で挟み込むように製作されており,プリプレグの表面付近に炭素繊維が均一に分散している. 表1 使用したテープ基材の諸元 図3に,(i)テープ間摩擦特性を評価する引抜き試験,および,(ii)せん断特性を評価するPicture-frame試験の様子を示す.試験機には恒温槽付き材料試験機(マイズ試験機)を用い,荷重-変位関係を取得した(引抜き速度0.5 mm/s). 図3 高温環境での賦形基礎物性試験 図1 熱可塑性薄層化プリプレグ(CF/PA6) (福井県工業技術センターで製作) 2.賦形性の基礎物性試験とそのモデル化 2・1 実験方法 Prepreg 熱可塑性炭素繊維複合材料の成形を対象とした賦形性評価のため,CFRTPプリプレグ基材の基礎物性を実験・解析により評価した.ここでは,AP-PLY積層プリフォームと呼ばれる織物状のプリプレグテープ積層基材を対象として,高温賦形環境下でのテープ間摩擦特性や積層基材のせん断特性について評価した. 上記の基材を用いて,AP-PLY積層プリフォームを作製し,賦形性に関する基礎物性試験を実施した.図2に,基礎物性試験に用いたAP-PLY積層の模式図,および引抜き試験片の例を示す.縦横8本ずつ配置したテープが交差している正方形領域80 mm × 80 mmが試験領域である. (a) 薄層化プリプレグ (b) スリットテープ基材 (c) プリプレグの断面画像 Vf [%] 53.4 Nominal Width [mm] thickness [μm] 43 10 (a) 積層の模式図 (b) 引抜き試験片 (i) 引抜き試験の様子: (a)試験前,(b)試験後 (ii) せん断試験の様子: (a)試験前,(b)試験後 2.1節の基礎物性試験をモデル化するため,テープ基材を再現したメゾスケールモデルを作成し,AP-PLY積層プリフォームの構造を再現した.解析には動的有限要素解析ソフトLS-DYNA(R10.1.0, LS-Prepost 4.6)を用いた.図4に解析モデルを示す.テープ基材は厚さ0.04 mmの完全積分シェル要素を用いてモデル化した.材料特性は,直交異 (福井県工業技術センターで実施) 引抜き試験においては,試験領域に面外方向の圧力をPTFEシートを介して均等に負荷し,面外荷重をロードセルで測定することで,摩擦係数を評価した.PA6のガラス転移温度(約320 K)より高温で,融点(約500 K)以下の温度で賦形することを想定し,350~400 Kの範囲で経時変化がなく一定に安定した温度となった状態で試験を実施した.せん断試験においては,試験片が面外方向に浮き上がるのを拘束する程度の変位拘束を与えた(具体的には,0.32 mmの隙間をスペーサにより設けた). 2・2 解析方法 − 219 −
元のページ ../index.html#221