図13は,図10(a)のB点を通過する透過波のスカラ速度ポテンシャル応力比の最大振幅を表す.透過縦波の最大振幅は,金型の曲率半径の影響を受けにくく,平行金型の場合とほぼ同じである.よってFDTD法を用いた解析結果は,図7に示す実験結果と同様の傾向を示し,透過波は金 evawdetcelfer m evawdettisnart ALR =PL,R / PL,0 ALT =PL,T / PL,0 ここで,PL,0 はスカラ速度ポテンシャル応力比の最大振幅,PL,R と PL,T はそれぞれ反射波と透過波のスカラ速度ポテンシャル応力比の最大振幅である. 図12は,図10(a)の計算モデルにおいて点Aを通過する反射波のスカラ速度ポテンシャル応力比の最大振幅を表している.この図より金型と被加工材の接触面で反射される超音波の特性は,図6の実験結果と同様に金型曲率半径の影響を大きく受けることが分かった. 10.80.60.40.200.00工, 54-632 (2013), 826-830. 工, 57-669 (2016), 983-990. 図12 反射特性に対する金型曲率半径の影響 10.80.60.40.200.00工, 58-681 (2017), 929-935. 図13 透過特性に対する金型曲率半径の影響 ]-[ RLA fooitar edutilpmATLA]-[ fooitar edutilpmA型半径の影響を受けにくい.図11に示すように,透過波は下型と被加工材の接触面1と被加工材と上型の接触面2の両接触面で屈折しており,透過波の伝搬方向は入射波の伝搬方向とほぼ同じであると考えられる.したがって,透過波を用いれば,金型形状の影響を受けずに接触状態を計測することができると考えられる. 6. 結言 超音波を用いて被加工材と円弧形状のプレス金型の接触状態を測定する方法を開発した.これにより,1)超音波の反射は金型の形状に影響されること,2)薄い金属板をプレス金型に密着した場合,透過波は金型の形状に大きく影響されないことが分かった.このようにして得られた接触情報をサーボプレスにフィードバックしてプレススライドを制御できれば,隙間の解消が期待できる.またインプロセス計測を行うことで,接触状態から被加工材の変形の経時変化を追尾できる可能がある.さらに本手法はプレス加工だけでなく,他の塑性加工にも応用可能であり,特に金型鍛造での未充填欠陥の検出に有効であると考えられる. 本研究に対し,公益財団法人天田財団より研究助成を受けた.記して感謝の意を表します. 謝 辞 参考文献 (計算結果) (計算結果) は減少する.さらに,円弧金型の曲率半径が透過・反射波の振幅に与える影響を調べた.その結果を図12および図13に示す.これらの図において,ALR,ALTは,反射波および透過波の振幅比であり,以下のように定義される. これは図8に示すように,接触面への入射波の入射角は,接触面に沿って連続的に変化する.これにより反射波が焦点に集中するためと考えられる.従って,この反射波の受信部を焦点近傍に設置できれば,増幅された反射波を計測することができる.このように,数値シミュレーションに反射波の特性を可視化でき,最適なセンサの取り付け位置を推定できる. 0.02Inverse of die radius 1/R[mm-1]0.020.08Inverse of die radius 1/R[mm-1]0.040.060.080.040.06(15) (16) 1) Hagino, N., Endou, J., Katoh, S., Okudera, S., Maruyama, M., Kubota, M. & Murata, C.:Steel res. int. 81-9 (2010), 674–677. 2) Hagino, N., Endou, J., Katoh, S., Okudera, S., Maruyama, M. & Kubota, M.: Steel res. int. 2011 special edition, (2011), 390–395. 3) Hagino, N., Endou, J., Katoh, S., & Ishihama, M.:Steel res. int. special edition 2012, (2012), 319-322. 0.104) 萩野直人・遠藤順一・加藤俊二・石濱正男:塑性と加5) Hagino, N., Endou, J., Ishihama, M., Komiya, S. & Katoh, S.:Procedia Eng. 81 (2014), 1073–1078. 6) Hagino, N., Komiya, S. & Ishihama, M.:Proc. IN-TECH2015, (2015), 50-53. 7) 萩野直人・小宮聖司・遠藤順一・石濱正男:塑性と加8) Hagino, N., Komiya, S., Endou, J. & Ishihama, M.:Key Eng. Mater., 716 (2016), 528-535. 9) 萩野直人・小宮聖司・遠藤順一・石濱正男:塑性と加10) Hagino, N., Komiya, S., Endou, J. & Ishihama, M.: Sensor 0.10and Materials, Vol.3,1No.10(2)(2019),pp3129-3140. 11) 益子正己・伊東誼:日本機械学会論文集, 34-257 (1968) , 191–198. 12) 山本美明:超音波基礎工学, (1981), 日刊工業新聞, 39-40. 13) Sato, Y:Dansei-Hadou-Ron, (1978), Iwanami shoten, 32-38. 14) Sato, M.: Acoust. Sci. & Tech., 24-6 (2003), 415-418. 15) Nagatani, Y., Murakami, M., Hara, Y., & Watanabe, Y.:IEICE Tech. Rep. Ultrasonics, 104-14 (2004), 1-4. 16) 木村友則・三須幸一郞・和高修三・小池光裕:電子情報通信学会技術研究報告.US,超音波, 105-619, (2006), 11-16. 17) Sakamoto, S.: J. INCE Jpn., 31-4 (2007), 263-270. − 217 −
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