6.結論 本研究では,従来より衝突エネルギー吸収体の性能向上参考文献 謝 辞 図17より,部分加熱回転加工法で成形したRTO構造の側面に沿って自然に得られた折り線に誘導され,座屈しわが衝突端から順番に積み重なるアコーディオン型の圧潰変形モードが得られている. それによって,圧潰変形が同じ段階に進展した際に現れる座屈しわを比較しても,正方形角筒の圧潰変形がほとんど終わることに対して,RTOのほうがまだ真直の側面壁が残されており,引き続き安定的な反力レベルを保ちながら圧潰変形を続かれることで,比較的に多く衝突エネルギーを吸収することが判る. および加工困難の問題を解決するため,新たに安価な方法で加工できる部分加熱回転加工法とそれによって得られるRTOを提案し.以下の結果が得られた. (1)本研究の提案したRTOは部分加熱回転加工法を用い安価に加工することができ,従来のハイドロフォーミング加工法のような張り出し変形モードはなく単純ねじり塑性変形だけで成形するため,得られる成形品の板厚はほとんど元の板厚と変わらない.部分加熱回転加工法で安定的に成形できることを示した. (2)部分加熱回転加工法は,軸方向に沿って段毎に成形していくため,必要な加工設備は簡単に用意できるものであり,また軸方向に沿う長さの制限はないので,従来の塑性加工法より,大型成形機械と金型が省略可能でしかも同程度の大量生産性も可能なことから,提案した部分加熱回転加工法の優位性が期待される. (3)RTOは側面に沿って折れ線配置により座屈によるしわの分布を調整することができ,圧潰過程において安定的にアコーディオン型の圧潰変形を最後まで続ける特性を持つことが確認できた. (4)数値解析の結果より,本研究の提案したRTOは,従来の衝突エネルギー吸収体である正方形断面の角筒構造より優位性があり,従来の衝突エネルギー吸収体の代わりにRTOの適用は十分に可能性があるといえる. (5)本研究の研究結果により,3次元の複雑な形状をもつ折り紙構造の加工困難な問題を解決することができ,折り紙構造を衝突エネルギー吸収体として実製品に組み込む目的に一歩前進したと考えられる. 今後は,部分加熱回転加工法による固定治具や回転装置などを開発し,実際に量産ベースでRTOを成形して,衝撃実験を実施し,その衝突エネルギー吸収性能を検証したうえで,実製品への応用開発を行う予定である. 本研究は,公益財団法人天田財団による一般研究開発助成(AF-2017028)で実施されました.同財団に深く感謝申し上げます. 1)Mahmood, H. F. and Paluszny, Design of Thin Walled Columns for Crash Energy Management –Their Strength and Mode of Collapse, SAE Paper 811302, (1981), pp.441-451. 2)Wierzbicki, T. and Abramowicz, W., Development and Implementation of Special Elements for Crash Analysis, SAE Paper 880895, (1988), pp.103-109. 3)萩原一郎,津田政明,佐藤佳裕,有限要素法による薄肉箱型断面真直部材の衝撃圧潰解析,日本機械学会論文集A編, Vol.55, No.514, (1989), pp.1407-1415. 4)北川裕一, 萩原一郎, 津田政明, 有限要素法による薄肉任意断面形状部材の衝撃圧潰解析, 日本機械学会論文集A編, Vol.57, No.537, (1991), pp.1135-1139. 5)野島武敏,平板と円筒の折りたたみ法の折紙によるモデル化,日本機械学会論文集C編, Vol.66, No.543, (2000), pp.1050-1056. 6)萩原一郎, 灘吉聡, 折り紙工学を利用した円筒構造物の圧潰解析, 自動車技術会論文集, Vol.34, No.4, (2003), pp.145-149. 7)萩原一郎, 山本千尋, 陶金, 野島武敏, 反転らせん型モデルを用いた円筒形折り紙構造の圧潰変形特性の最適化検討, 日本機械学会論文集A編, Vol.70, No.689, (2004), pp.36-42. 8)趙希禄, 胡亜波, 萩原一郎, 折紙工学を利用した円筒薄肉構造物の衝突圧潰特性の最適設計, 日本機械学会論文集A編, Vol.76, No.761, (2010), pp.10-17. 9)Kong, C.H., Zhao, X.L. and Hagiwara, I., Hydro-forming process of manufacturing for reverse spiral origami structure, International Journal of Vehicle Performance, Vol.3, No.4, (2017), pp.347-364. 10)趙希禄,胡亜波,萩原一郎,衝突方向のばらつきを考慮した半割り型自動車サイドメンバーの圧潰エネルギー吸収性能のロバスト最適化,日本機械学会論文集A編, Vol.76, No.767, (2010), pp.868-875. 11)趙希禄,胡亜波,萩原一郎,折紙工学援用による半割り型自動車サイドメンバーの衝突圧潰エネルギー吸収性能に関する研究,日本機械学会論文集A編, Vol.76, No.769, (2010), pp.1131-1138. 12)楊陽,趙希禄,戸倉直,萩原一郎,トラスコアパネルからなる軽量化構造の衝突エネルギー吸収性能向上,日本機械学会論文集,Vol.85, No.815, (2014). 13)楠見和久, 野村成彦, 真木純, ホットスタンプにおけるプレス成形性と成形解析技術, 新日鉄技報, No.393, (2012), pp.47-54. 14)Zhao, X.L. and Hagiwara, I., Designing and manufacturing a super excellent and ultra-cheap energy absorb by Origami Engineering, ASME 2019 International Design Engineering Technical Conferences and Computers and Information in Engineering Conference, ( 2019). − 212 −
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