助成研究成果報告書Vol33
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図12.固定治具-成形品の相対変位と加熱温度の関係 図13.加熱温度と塑性加工の回転トルク荷重の関係 図14.部分加熱回転加工法の専用実験装置 さらに部分加熱温度から成形精度への影響を調べるために,部分加熱温度を変えながら成形解析を行い,得られた結果を図12に示す.図中により,加熱温度の増加に伴い,固定治具と成形品の相対変位は段々と小さくなる傾向が見える.850℃を超えてから相対変位が徐々に一定となり,また成形実験に利用するIH加熱器の都合上で加熱温度を950℃としたが,図12の解析結果から本研究の設定した加熱温度950℃が妥当であることが判る.                            加熱温度の増加により,ねじり塑性変形に必要な回転トルク荷重が小さくなることが容易に判るが,その関係を定量的に把握するために,加熱温度950℃と室温での成形解析結果から,時系列の回転トルク荷重の変化を整理して,その結果を図13に示す.  ただし,加熱なしの場合,角パイプ素材の内部に固定治具を設置しない条件で成形解析したが,外側の固定治具と角パイプ素材の間の相対滑り変位が大きく,捩り加工は不能となったため,ここで,捩り変形に必要な回転トルクを解析することを目的とする前提で,固定治具と角パイプ素材の間にある接触条件として対応するペア節点変位を強制的に等しくする剛的結合として解析を行った.  図13により,部分加熱回転加工を開始すると,固定治具が移動し0.01秒後に角パイプ素材の固定が終了する.従って,0.01秒までは,ねじり塑性加工トルクは0となっているが,0.01秒を超えてから,ねじり塑性加工が開始し,トルクが0から急に増加して,その後,多少トルクの値が変動する傾向が見えるが,双方のトルクの平均値を比較すると,部分加熱をすることによって,室温でねじり塑性加工に必要となる平均トルク値229.67Nmに対し,加熱950℃でのトルク値は69.32Nmであり,約3.31倍小さくなることが判る.  このように,部分加熱により加工トルクが小さくなることによって,2つ有利な点があると考えられる.1つは,必要な捩り塑性加工トルクが小さいことから,固定治具と角パイプ素材の間にある相対変位も小さく,角パイプ内部の固定治具を省略できる.もう1つは,角パイプ素材の他の部分と比べて,加熱された部分が局所的に塑性変形に対する抵抗力が3割以下小さくなるため,他の部分は塑性変形せず,ねじり塑性変形部分だけがより安定的に加工できることになる.  4.部分回転加工装置の開発  前節の検討結果をベースに開発した部分加熱回転加工法の実験装置を図14に示す.図中より,実験装置は本体,角パイプ固定治具とIH加熱器などから構成される.  実際には,図15に示す作業手順に沿って部分加熱回転加工を進めて行く.                             部分加熱 IH加熱 パイプ固定 端部固定 − 210 −

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