tinubra / ytisnetnI .図9 MA-SPSプロセスにより作製した(Ti,Al)N焼結体の破断面SEM像 図10 酸化試験後のTiN焼結体および(Ti,Al)N焼結体の 験温度T = 900 °Cにおいては,(Ti,Al)N焼結体では酸化物相形成の進展が見られるものの主相が維持されているのに対して,TiN焼結体ではTiO2相のみとなることが確認された.また,重量変化はそれぞれCTiAlN = 1.15×10-3 g/m2とCTiN = 2.92×10-4 g/m2となり,約2.5倍の違いが生じた.この結果より,本研究で作製された(Ti,Al)N焼結体は少なくともT = 900 °Cの高温化においても主相を維持できる耐酸化性を有することが確認された. 4.結言 本研究では,MA-SPSプロセスを用いた(Ti,Al)N焼結体の作製を試み,その結晶構造や機械的特性について調査した結果,以下の結論を得た. 1) TiAl粉末(質量比65 : 35)を窒素雰囲気下でMAすることにより(Ti,Al)N相を主相とする粉末の合成に成功した. 本研究は,公益財団法人天田財団一般研究開発助成(AF-2017027)のもとで行われました.ここに深く感謝いたします. 謝 辞 参考文献 一方,破壊靭性値と抗折力については,tMA = 20 h×4の試料において最も優れた値が得られ,それぞれKIc = 8.6 MPa·m1/2とσb = 781 MPaという値が示された.これについては,XRD図形中に示されたAl3Ti相が強く影響を及ぼしているのではないかと予測する.すなわち,Al3Ti相がサーメット材料におけるバインダーの様な役割を果たし,靭性値を向上させているのではないかと予測する. 本研究では,tMA = 25 h×4の(Ti,Al)N焼結体について,試験温度T = 600 °CとT = 900 °Cにおいて酸化試験を行った.なお参加試験には待機解放された管状炉を用い,試験温度にて20時間放置した際の重量増と結晶相変化について調査した.また,この際に比較のためにMA-SPS法により作製したTiN焼結体についても試験を行った.図10に,酸化試験後のTiN焼結体および(Ti,Al)N焼結体のXRD図形を示す.試験温度T = 600 °Cにおいては,TiN焼結体ではTiO2相,(Ti,Al)N焼結体ではAl2O3相が形成されるが,主相には変化が生じないことが確認された.また,酸化試験後の重量変化はそれぞれCTiAlN = 1.01×10-4 g/m2とCTiN = 1.06×10-4 g/m2となり,大きな差異は見られなかった.一方,試4030XRD図形 (Ti,Al)N (900ºC)(Ti,Al)N (600ºC)TiN(900ºC)TiN(600ºC)TiNTiO2α-Al2O360Diffraction anle, 2θ / deg.50 2) 一部の結晶相がh-AlN相として相分離してしまうが,放電プラズマ焼結法により(Ti,Al)N粉末を焼結体化することに成功した. 3) 粉末の壁面固着を解消し,窒素を再充填しながら繰り返しMA処理を行うことで,粉末時において(Ti,Al)N相の合成が進行しやすくなると考えられる. 4) 本研究においては,tMA = 20 h×5という繰り返しMA処理により,最大硬度HV2050という高硬度を有する焼結体の作製に成功した. 5) 同条件において作製された焼結体は,少なくともT = 900 °Cの高温化においても主相を維持できる耐酸化性を有する. 1) 浅見廣樹ら:日本金属学会誌,79[4] (2015) 215-219. 2) 浅見廣樹ら:日本金属学会誌,83[4] (2019) 136-142. 3) M. Miki, et al.: Mater. Trans., JIM, 34[10] (1993) 952-959. 4) 荻野喜清:粉体工学会誌,29[12] (1992) 906-911. 5) K. Niihara: J. Mat. Sci. Lett, 2 (1983) 221-223. 6) Y. Tanaka, et al: Thin Solid Films, 228 (1993) 238-241. 70− 206 −
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