助成研究成果報告書Vol33
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W 図12 様々な軟化領域での実験と数値解析のLDRの比較 ( PH =10MPa, PH/SH=1.0MPa/mm ) 5.結言 4.数値解析方法および結果 4・1 解析条件 ■■■/■■■1.4のときであり,2種類の破断限界の境となる 図11 部分軟化対向液圧成形のLDRに及ぼす保持液圧の RDLDin / Dp= 1.6RDLPH=20MPa PH=5MPa 表4 Swift硬化則のパラメータ ■ [MPa] ■■ 4・2 解析結果 実験と同じ硬質領域比の部分軟化ブランクを用いて成形解析を行い,LDRを求めた.数値解析における成形限界の判定には,要素の異常変形をもって割れが生じたとみなし,絞り成形の可否を判断した.図12に,実験および数値解析のLDRを比較して示す.数値解析においては,硬質領域比■■■/■■が1.4〜1.6において最大のLDRを示し,それより軟化領域が広い場合や狭い場合では,LDRが低下した.これは実験結果と同じ傾向である.また部分軟化したブランクでは,いずれも均質なT6材やW材よりも大きなLDRを示し,数値解析においても部分軟化対向液圧成形法によって成形性が向上することが確認できた. 局所溶体化処理を施した部分軟化ブランクを用いて,対向液圧成形を行った.また,部分軟化をモデル化したブランクを用いて対向液圧成形の数値解析を行った.その結果,以下の結論を得た. 1)部分軟化成形法と対向液圧成形法を組み合わせることで,単独の場合と比べて深絞り性が大きく向上した. 2)深絞り性向上に最適な軟化領域が存在し,硬質領域比が1.4のとき最適であった. 本研究は公益財団法人天田財団平成29年度一般研究開発助成により実施したものであり,感謝の意を評します. 1) 中村和彦:塑性と加工, 25-284 (1984), 831-838. 2) 西脇武志・金武直幸:軽金属, 55-1 (2005), 33-36. 3) 戸沢康寿:塑性と加工, 1-1 (1960), 23-28. 4) 藤岡敏行・菅又信・金子純一:塑性と加工, 27-311 (1986), 1363-1368. 5) Geiger M., Merklein M., Vogt U.: Prod. Eng. 3 (2009), 401-410. 6) Piccininni A., Michele G. D., Palumbo G., Sorgente D., Tricarico L.: Acta Metall. Sin. (Engl. Lett.) 28-12 (2015), 1482-1489 謝 辞 参考文献 1.2,1.4の部分軟化ブランクを用いた成形では.図10(b)に示したような縦壁部での破断を示した.これは,液圧を用いない部分軟化成形の結果と同じであり,パンチ肩部での破断は,硬質領域が広範囲であるためフランジ部での変形抵抗が大きいことが原因と考えられる.また,パンチ側壁部での破断は硬質部と軟化部の境界部付近で発生しており,溶体化による破断耐力の低下が原因であると考えられる.実験においてLDRが最大となった部分軟化領域は,硬質領域比のときに,最も成形性が向上すると考えられる. 3・3 成形性に及ぼす保持液圧の影響 図11に,異なる保持液圧で,部分軟化対向液圧を行ったときのLDRを示す.保持液圧が高くなるほどLDRは向上し,PH=20MPaのときLDRが2.55となり,10MPaの条件と比べ,0.13向上した.■■■/■■ =1.4の条件では,縦壁部破断が生じて成形限界に達するが,保持液圧の増加により,パンチ側面においても摩擦保持効果が働き,破断を抑制したと思われる.この実験の液圧の範囲内では,液圧増加に対するLDRの上限値を調べることはできなかったが,液圧を高くすればLDRが向上する可能性がある. 影響 (PH/SH=1.0MPa/mm, ■■■/■■ =1.4) 対向液圧成形時の軟化領域の影響を調べるため,数値解析を行った.ソルバーにはLS-DYNAを用いた.アルミニウム合金板は弾塑性体とし,加熱金型との非接触領域を硬質部,接触領域を軟質部として各々にT6材とW材の材料パラメータを割り当てた.また,工具は剛体とした.いずれもシェル要素を用いた.材料モデルには, Hillの降伏関数を用い,硬化則としてSwift則を用いた.そのパラメータを表4に示す.工具寸法及び成形条件は実験と同様とした. 2.6 2.5 2.4 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 1.8 1.7 1.6 1.5 2.42Parameters n PH=10MPa T6 383.8 0.002 0.06 PH=15MPa 2.482.42W 339.1 0.001 0.234 3.02.82.62.42.22.01.81.61.41.21.02.552.12Din / Dp= 1.2Din / Dp= 1.42.482.362.362.422.362.122.482.302.062.061.94T6Din / Dp= 1.8ExperimentSimulation− 196 −

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