µm図13(a)は圧延ロールをかけたアルミ板の様子で,虹色を呈した.図13(b)はアルミ板の電子顕微鏡写真である.線はとぎれとぎれであるが,規則的なピッチで跡が転写さ9mm+0.71-0.89(a)(c)図12幅2µmの(a)レジストパターンと(b)ウェットエッチング加工したロール面.(c)パターン幅よりも深い加工で生じるアンダーエッチング模式図.(a)図13アルミ板に転写された幅2µmのパターンの(a)(b)(b)4.結言謝辞参考文献低倍像と(b)電子顕微鏡像.ッチングでは,凹凸の高低差は平均0.277µmとなった.図8と比べて有意に形状が低い理由は,等方的に進むエッチングにおいて,パターン幅とエッチング量が同程度になると,レジスト下地に食い込むアンダーエッチングが顕著となり,途中でレジストのマスクが取り除かれたためと考えられる.れている.白色干渉計で測定すると,凹凸高低差は平均0.091µmであった.転写は,圧延条件にも関係するが,高低差はロール面からアルミ板に写すと約3割に減ったことになる.本実験は,ウェットエッチングでどこまでできるかを見定める趣旨で行った.レジストの微細パターンは得られているので,ドライエッチングやプラズマ窒化処理などを組み合わせれば,幅2µmの形状をより忠実にロールに転写できると考えられる.微細パターンの潜像までを用意したレジスト膜を貼り付ける新しいフォトリソグラフィ技術により,圧延ローラ円筒面にリング状パターンのアレイを微細加工した.機械加工により製作した部品への,フォトリソグラフィ微細加工の融合となっている.パターン形状は比較的複雑なリングである.得られた圧延ロールによってアルミ板にリング形状を転写できた.圧延に関しては簡易な2段式圧延機を利用したに留まるが,目視認識できない微細な900dpiのピッチで用意されたリング形状アレイを転写できた.パターンの微細化と形状自由度のどちらにも,フォトリソグラフィ側は余裕がある.幅2µmまでのパターン転写を確認した.この値はマスクを近接させて行う露光では,実際的に限界に近い値である.ロール面までの微細パターン転写は狙い通り十分に得ることができた.今後は更に,エッチング加工技術が伴えば,更なる微細化や深い形状を実現できると考えられる.参考文献は期間中に発表した成果である.塑性と加工の雑誌論文に発表すると共に,国内学会3つに発表した.機械加工とフォトリソグラフィ加工の技術融合の着想は,精密工学会ナノ精度機械加工専門委員会(委員長:東北大学厨川常元教授)の活動を通して得た.圧延ロールの加工について,豊田工業大学近藤一義教授のアドバイスを受けた.水溶性ポリマーPVAをPETフィルムに成膜したSOシートは,アイセロ(株)から提供を受けた.ロールのウェットエッチングと電界研磨は中山理研(株)に対応頂いた.1)佐々木実・弓削英翔・鈴木大瑛:「フォトリソグラフィ加工による圧延ロール面への微細パターン形成―テクスチャリング用レリーフの一括形成―」塑性と加工, 60-702 (2019-7) pp.195-202.2)佐々木実・弓削英翔・鈴木大瑛:微細加工した圧延ロールによるアルミ材の艶消しパターン転写, 第80回応用物理学会秋季学術講演会19a-E304-9,2019年09月19日.3)佐々木実・弓削英翔・鈴木大瑛:フォトリソグラフィ加工を用いたアルミ表面加工のための圧延ロール面への微細パターン転写,第70回塑性加工連合講演会, pp.213-214,2019年10月12日.4)佐々木実・弓削英翔・鈴木大瑛:フォトリソグラフィ一括加工した微細パターン付き圧延ロールによるアルミ板の表面処理, 令和2年電気学会全国大会3-140, 2020年03月11日.− 192 −
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