助成研究成果報告書Vol33
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とんど影響していないことがわかる.また,図11, 12では,ポーラスAlサンドイッチには発泡による上下の表面材のずれや,加熱による表面材の変形は見られず,曲率を付与 は発泡剤(TiH2)粉末を添加した(ADC12ポーラスアルミニウムでは内在ガスのみを発泡源として活用し発泡剤を添加していない14))ことが主な原因と考えられる.また,平板型ポーラスAlサンドイッチのdm =1.06 mm, em= 0.76と比較しても大きな差はなく,emについてはむしろ向上が見られた.これらのことから,ポーラスAlサンドイッチコア部の気孔形態は,dmは若干大きい値であったが,気孔形状や分布は,単一ADC12ポーラスアルミニウムや平板型ポーラスAlサンドイッチと同程度の良好なものが得られることがわかる. 以上のように,サンドイッチ構造を持つプリカーサを用いると,曲げ加工によってプリカーサコア部に初期の割れが発生したとしてもポーラスコア部の気孔形成には影響はなく,曲率を持ち気孔形態も良好なポーラスAlサンドイッチを作製することが可能であった.また,この作製法で付与可能な曲率半径の値は,平板型ポーラスAlサンドイッチの曲げ試験で付与できるそれより小さい値であった.ただし,この付与可能な曲率半径の範囲についてはさらに検討が必要である.今回の結果より,サンドイッチ構造を持つプリカーサに曲げ加工などの塑性加工を施すことで,より複雑な形状を持ったポーラスAlサンドイッチの作製が可能となることが示唆される. 5.結言 本研究では,FSWを用いて作製したサンドイッチ構造した部分の厚みの変化はほとんどなかった.これらは,プリカーサの温度は計測していないが,保持時間11 minでは,表面材はA1050の固相線温度に達しておらず,表面材に軟化は起きているものの溶融はせず板材形状は保持できたことによるものと考えられる. 4・4 ポーラスコア部の気孔形態 押込み量15 mm, 20 mmのポーラスAlサンドイッチのコア部の気孔率は,それぞれ75.1%および78.7%であった.図13(a), (b)に,それぞれ,押込み量15 mm, 20 mmのポーラスAlサンドイッチコア部の,曲率を付与した部分の中央位置からの距離x(図11, 12(a)参照)に対する平均相当円直径dxおよび平均円形度exの変化を,それぞれのdm, emの値とともに示す.これらの図より,dmは押込み量20 mmの方が若干大きくなっているが,emは同程度であり,dx, exのばらつきは押込み量による差は小さく,気孔形態(気孔径や形状)はコア部の割れ発生の影響は小さいことがわかる.これらの値や分布状態を,先にADC12を用いて作製したポーラスアルミニウム(長さ20 mm×奥行き20 mm×高さ20 mm,気孔率80.3%)14)のX線CT画像をもとに,3.2節と同様の方法で評価したdm, emの値,dxおよびexの分布と比較した.詳細な結果は省略するが,ポーラスAlサンドイッチのdmはADC12ポーラスアルミニウムのそれ(dm=1.18 mm)より若干大きいが,emはADC12ポーラスアルミニウムのそれ(em=0.86)とほぼ等しく,dxとexのばらつきも近いものとなっていた.ポーラスAlサンドイッチにおいてdmが大きくなったのは,今回の作製で − 180 −

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